阪神・村上頌樹投手(26)が、13日に兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、1300万円増の年俸8000万円でサイン。V奪還を目指す来季の目標に「160イニング登板&防御率1点台」を掲げるとともに、来シーズンにつながる〝大きな経験〟についても独白した。
昨季は新人王&MVPを受賞し、期待されて迎えた今シーズンだったが、序盤は味方の援護にも恵まれず4月30日から約2か月間にわたって白星をつかめない時期もあった。それでも7勝(11敗)、防御率2・58で、2年連続の規定投球回(153回2/3)を達成。この日の契約更改後には「序盤の方、自分が投げた時になかなか勝てないのが本当に苦しかったです。その中でも、試行錯誤してできたのは良かったです」と冷静に振り返った。
藤川球児監督のもと、日本一奪還を目標とする来季に向けては「防御率1点台は目指していきたいですし、イニングにもこだわりたいので。160イニングぐらいはしっかり投げられるようにやっていきたいです」と意気込んだ。
そんな村上にとって、来季に向けた糧となる「貴重な経験」があった。9月27日の広島戦(マツダ)の延長11回、約1年半ぶりに中継ぎとしてマウンドに上がった。負ければ〝アレンパ〟が遠のく一戦。11回は三者凡退に抑えたが、延長12回に失策も絡んで一死二塁となると、最後は代打・末包の適時打を浴び、チームも敗れた。
思わず涙を流した右腕だが、試合後には左右のリリーフとしてチームを支えた桐敷&石井から「大丈夫、悪くない。よく投げてくれた」と励まされたという。そんな悔しい登板があったからこそ、今後につながる発見もあった。「ランナー出たらすぐキャッチボールを始めたりとか、『あるかもしんないからちょっとつくっといて』とか。〝こんなところでつくるんや〟とか思うけど、これが毎試合と言ってたんで。やっぱりキツいっすね…」と率直な思いを明かしつつ、次のようにも続けた。
「〝リリーフってこんな忙しいんや〟ってことを、また経験させてもらったんで。自分が先発する時は、中継ぎの方々の(肩を)つくる回数を減らしていければ、もっとうまく仕事ができるようになるんじゃないかなってことに改めて気づきました」
投手として視野も広がった虎の右腕は来季、完全復活を遂げる。
(金額は推定)