カブス・鈴木誠也外野手(30)が窮地に立たされている。
MLB公式サイトは13日(日本時間14日)、カブスとアストロズとの間で3対1のトレードが成立したと報じた。カブスが獲得したのはカイル・タッカー外野手(27)。今季は右足の骨折で78試合の出場だったが、打率2割8分9厘、23本塁打、49打点を記録し、3選手を供出したことからもカブスの〝本気度〟がうかがえる。
こうなると立場を脅かされるのが鈴木だ。2026年までの契約があり、トレード拒否権も持つが、タッカーの守備位置は右翼で重なる。今季途中からDHとなり、来季は外野守備復帰を目指す鈴木にとっては〝強敵〟が出現した格好だ。米メディアの間では拒否権を保有していても、トレード話が今後加速する可能性があると伝えられている。
しかし「FANSIDED」は「鈴木誠也をトレードすることはシカゴ・カブスにとって大きな間違い」と一刀両断。まず理由として挙げたのは打撃力で「鈴木はレギュラー選手の中で唯一、OPSが.800を超えてシーズン.848で終えた。フィールドのあらゆる場所を狙う一貫したラインドライブのアプローチで、打撃で非常に成果を上げた」と称賛した。
また、日本選手との〝パイプ役〟としても欠かせないとしている。それが佐々木朗希投手(23)の存在だ。
同メディアは「今永昇太とともにカブスが日本市場に進出する上で計り知れない価値をもたらしている。佐々木朗希はカブスにハマるかもしれない。しかし、佐々木を取り巻くドラマとトレードのうわさは、若きエースを追い求めるシカゴのチャンスに深刻な打撃を与えかねない。鈴木と佐々木の間には文化的なつながりがあるだけでなく、2人の代理人はジョエル・ウルフ氏だ」と指摘。さらに「日本の文化は名誉と敬意を重んじる。カブスが鈴木をどのように扱うかという認識は重要で、この状況が失敗すれば不敬な行為とみなされる可能性がある」と警鐘を鳴らした。
もし鈴木をぞんざいに扱うようなことがあれば、佐々木だけでなく将来にわたっても日本選手の心証を悪化させるとの見立てだが、果たして――。