中日から自由契約となっていた守護神のライデル・マルティネス投手(28)が、巨人と「2年総額1600万ドル(約24億円)」で契約したと15日までに複数のキューバメディアが報じた。最多セーブを2度記録した「最強クローザー」の巨人入りは確実となったが、注目されるのは起用法だ。巨人には不動の守護神・大勢投手(25)がいるが、1席しかない座にはどちらが座るのか――。
鉄壁の方程式が完成するか。複数の現地メディアはこの日までに「私の夢は日本シリーズに出場して優勝すること」とのマルティネス本人のコメントを伝え、全米野球記者協会所属でキューバ通として知られるフランシス・ロメロ記者もマルティネスが巨人と2年契約を結んだことを自身のX(旧ツイッター)に投稿した。
さらに「業界筋によると、28歳の彼のMLB市場での価値は5000万(約75億円)~7000万ドル(約105億円)で、5年または6年の複数年契約となっている」との見解も記した。
巨人はFA戦線で阪神・大山、ソフトバンク・石川を獲得できずに連敗。それでも残留を求めた中日、DeNA、ソフトバンクとの激しい争奪戦を制して大魚を釣り上げた。
今季のマルティネスは43セーブで2度目のセーブ王に輝いた。60試合の登板で防御率1・09と相変わらず安定感は抜群だ。その剛腕が加わるとなれば、リーグトップタイとなる救援防御率2・27を記録したブルペンが、より強固となることは間違いない。
ただ、チーム内にはすでに〝絶対的守護神〟として大勢が君臨する。経験豊富なマルティネスと2人のクローザーが在籍する状況となるため、チーム内外から来季の起用法がどうなるのか注目が集まっている。そうした中、マルティネスに近い関係者は右腕の本音をこう明かす。
「彼はクローザーとしてキャリアを積んできたけど『絶対にクローザーじゃないとやらない』というタイプではない。巨人側は超高額年俸という形で『誠意』を見せたわけだし、彼としてはどのイニングであっても与えられた場所で仕事を果たす覚悟を示している。だから、大勢とのポジション争いでハレーションが起きることはないと思いますね」
現地メディアからは、巨人側がマルティネスに守護神としての役割に期待を示しているとの報道も出ていたが、チーム関係者からは「大勢としても、ここまで9回を任されてきた自負があるはずだし、功績もある。彼のプライドも尊重されるべきだ」との声も出ていた。マルティネスの柔軟な姿勢が首脳陣に伝われば、両右腕による「ダブルストッパー」や「マルティネス―大勢」の方程式など、フレキシブルな運用が可能となりそうだ。