音楽プロデューサーの松任谷正隆氏(73)がこのほど、都内の映画館で行われた妻で歌手・松任谷由実(70)の50周年ライブの劇場版「THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー movie ~5.1ch/4K~」公開記念のトークゲストとして出席した。
昨年開催したツアー映像を、グラミー賞エンジニア・GOH HOTODA氏が5・1chサラウンドサウンドに新たにリミックスし、映像を4K化した特別劇場版として上映。正隆氏は「映画のミックスを5・1chにやり直すにあたり、ダンサーやミュージシャンがステージ上で実際に聴いている音を元に再現してもらいました。新たな効果音も入れています」と説明した。
また、配信全盛時代にあえて映画館で鑑賞する意味を聞かれると「映画館では見る人の真剣度が違いますよね。特に今回のようなセンターステージの音響効果の再現は、サラウンドが優秀な映画館でなくてはなりません。そういう意味でも今回のツアーは、最新の映画館に合うなと思いました」と明かした。
13日の公開初日舞台あいさつでは、由実本人が登場し、涙を流した。正隆氏は「この映画を見て単純に感激して泣いたのではなく、一人の人間としての自分と、演出されたステージの自分の乖離に泣けたというようなことを言っていました。これは舞台に立つ人間にしかわからない感情だと思います」と〝ユーミンの涙〟の理由を明かした。
また、次回のアルバムについても言及。「〝時間〟の概念は僕の永遠のテーマ。宇宙という現実の中にそのヒントはある、と思いながら今までやってきました。次のアルバムはそれをテクニカルにも具現化できるんじゃないかなと思います」と構想の一端を示した。