女優の吉岡里帆(31)が16日、都内で行われた「第49回報知映画賞」表彰式に出席。染井為人氏の長編小説を映画化した「正体」で助演女優賞を受賞した。
原作者の染井氏から花束を贈呈された吉岡は「気持ちがいっぱい、いっぱいになってしまって…」と、女優業に多くの悩みを抱えていたことを告白。大粒の涙を流しながら、受賞について「自分にとって大きな大きな出来事で、そういうスタンスのまま頑張っていいんだと背中を押された気になりました」と明かし、最後は晴れやかな表情で「日本映画が大好きです。これからも細やかに真っすぐ誠実に作品と向き合って、精進していきます」と力強く誓った。
現在は女優として活躍し、好感度を背景に多数の企業CMにも起用されている吉岡。しかし、18歳からの約2年間は歯科助手、居酒屋、スーパー、ホテルの配膳などアルバイトを掛け持ちしながら、深夜バスで東京までオーディションや演技講習に通い、女優の夢を追った苦労人で知られる。
さらに、今年4月1日には前所属事務所が新規の芸能関係業務を休業することを発表。同6日に自身のインスタグラムで、事務所存続を模索したことを明かし「動き出すと止まらない歯車もあるんだなとこの4ケ月無力さを痛感しました」と無念さを吐露。さらに、戸田恵梨香、有村架純らが所属する「フラーム」への移籍を報告し「これまでの感謝の気持ちを胸に第二章をスタートさせます」と決意していた。
「吉岡さんが『正体』のオファーを受けたのは前の所属事務所にいた時だった。実は吉岡さんには移籍後も、前の事務所スタッフが現場に付き添って〝業務提携〟のような形で支えてきた。吉岡さんが壇上で大粒の涙を流して喜んだのも、これまで育ててくれた前事務所にも『恩返しできた』という思いもあったといいます」(芸能プロ関係者)
苦悩を抱えながら移籍した年に、栄えある映画賞を受賞。涙のスピーチには、さまざまな感情がこもっていたようだ。