韓国の憲法裁判所は16日、尹錫悦大統領の弾劾訴追案を国会が可決したことを受け、弾劾訴追が妥当かどうかを審査するための裁判官会議を開いた。憲法裁は国会が弾劾訴追案を可決した14日から180日以内に、罷免するかどうかを判断する。
尹氏による非常戒厳宣言騒動後、国会周辺では、国民による尹氏の弾劾を求める大規模集会が繰り返された。その「民心」(民意)が弾劾訴追案の可決につながった一因だろう。
また、そもそも尹政権は、その親日姿勢が国民からの反発を買っていたため、支持率がずっと低かったともいわれている。国民は親日の尹氏より、反日の野党「共に民主党」の李在明代表を待望しているともみられている。
尹氏弾劾について、韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。
「尹氏は、日本の一部報道にあるような親日派ではなく、行き過ぎた反日が韓国の国益を損ねるということを知っているリアリストに過ぎません。もちろん、廬武鉉や文在寅のような左派大統領よりはずっとましですが。今回の弾劾成功で、メディアが盛んに『韓国は成熟した民主主義の国』と報じるのも美しい勘違いです。本当に成熟した国ならば、クーデターまがいの非常戒厳など起きないでしょう」
さらに但馬氏は、韓国の反日事情について「韓国をたとえるなら、中世ヨーロッパの教会政治です。反日教という民族宗教が支配する政教一致の国です。日本に融和的な態度を取ろうとした尹氏は、今度の失脚で改めて『親日派(チムイルパ)』の烙印を押されました。この言葉は、韓国では『売国奴』の意味合いが強いのです。これから尹氏は異端審問にかけられるのです。新しい〝司祭〟は狂信的反日論者の李在明ですから」と指摘している。