トランプ次期大統領はUFO情報を公開するのか。
米国では、UFOに関する情報公開がどんどん進んでいる。今年、議会下院と上院で公聴会が開催された。また、世界のトップクラスの科学者や専門家が集い、UAP(UFOを含む未確認異常現象)の学術研究や各国の政府に提言を行う「SOL財団」が11月にシンポジウムを開催し、日本から唯一招かれた前衆院議員の浅川義治氏が講演を行い、注目を集めた。
そして、来年1月に就任するトランプ氏は、選挙中の発言などから、UFO情報の公開をさらに進めるといわれている。
また、ここ1か月、米ニュージャージー州でUFOの目撃情報が相次ぎ、正体を巡り全米が騒然となった。当初は「ドローン」と言われたが、FBIが捜査してもいまだに由来が謎となっている。トランプ氏はSNSに「バイデン政権は国民に情報を知らせろ。さもなければ撃ち落とせ」と投稿した。
そんな中、日本でもニコニコニュースオリジナル番組「トランプ次期大統領はUAP情報を開示するか~SOL財団の目的と計画とは~」が16日、ライブ配信サービス「ニコニコ生放送」で配信された。浅川氏のほかに作家の角由紀子氏、哲学者の菊地了氏、ドワンゴ政治担当プロデューサーで記者の七尾功氏がスタジオ出演し、米国の専門家らが事前収録やオンラインで出演した。
調査ジャーナリストのレスリー・キーン氏は「共和党のティム・バーチェット下院議員は、トランプ次期大統領から直接『UAPに関しての透明性は上がっていく』と聞かされたと言っていたので、トランプ大統領によるUAP秘密ファイルの公開について期待していいでしょう」と明かした。
UFO愛好家界隈で注目されているのは、国防総省が極秘裏に行ってきたとされるUAPのデータ収集プログラム「イマキュレート・コンステレーション(IC)」の存在だ。11月の下院のUFO公聴会で存在が明かされた。UFO界隈では、トランプ政権が開示するのではないかと期待されている。
SOL財団の共同代表で社会文化人類学者ピーター・スカフィッシュ博士は「トランプ氏はルールを守らない人なので、これまで極秘にされてきた情報も開示するでしょう。ただ、すべてを開示するかは分かりません。もしトランプ氏がICの中身を開示しようとすれば、政府は困難に直面します。データは機密の情報収集センサーで集められているので、これを開示すれば米国の情報収集能力を敵国に知られてしまうかもしれない。トランプ氏は何らかのUAP情報を公開するかもしれないが、ICは開示しないかもしれません」と指摘した。
UFO研究家の竹本良氏は「次期大統領のUAP開示に対して楽観的です。トランプ政権に任命した面々やトランプファミリーがUAPに対して肯定的だからです。ただし、スカフィッシュ氏が考えるように、トランプ氏は、センシティブな防衛技術の漏えいまではしないでしょう。限界ある情報開示とならざるを得ないでしょうね」と話している。