海外FA権を行使してMLB挑戦を表明していた巨人・菅野智之投手(35)が、オリオールズと1年1300万ドル(約20億円)で契約合意したことが17日に判明した。夢をかなえるべく来季はついに海を渡るが、右腕には野球以外の知られざる「こだわり」があった。
菅野は今月3日に自主トレ先のハワイへ渡米。メジャーでプレーすることも視野に入れ「またユニホームが変わっても、やることは変わらないので。ジャイアンツ代表として恥ずかしくない投球ができるように、しっかり準備したい」と準備を進めてきた。そして、この日に移籍先が電撃決定。巨人OBで先輩の上原浩治氏もMLB移籍1年目に在籍した縁のある球団で、念願のメジャーリーガーとなることとなった。
オリオールズの球団公式SNSも菅野の写真とともに「菅野智之投手 オリオールズへようこそ!」と日本語のメッセージを掲載。MLB公式サイトなども続々と移籍を報じ、ワシントン・ポスト紙は「オリオールズは日本のトップリーグから、ベテランの傑出した選手と契約した」「日本版サイ・ヤング賞である沢村賞を2度受賞」などと高く評価した。
いよいよ夢舞台のスタートラインに立った菅野。特に野球に対しては高い志を持ち、貪欲に高みを目指して前進してきた。だが、グラウンドを離れたところでも意外なこだわりを見せていた。それがオフ期間に週に1度のペースで、自分へのご褒美として食べていた「家系ラーメン」だ。
以前、足を運んでいたのは、多くの芸能人も足しげく通う都内にある人気ラーメン店。家系といえば、注文時に「麺の硬さ」や「スープの濃さ」「脂の量」をそれぞれ3段階から選んで自分好みの味にカスタマイズできる。これも大きな魅力の一つとして知られるが、何事にもこだわる男がどうオーダーするのかというと…。
「それはもう『普通』『普通』『普通』ですよ。当然。野球もラーメンも一緒。『基本』が一番ですよ」(菅野)
やはり何においてもベースが重要ということなのだろう。長らく不調に苦しみ、昨季から立ち返ったのも「基本」だった。そして今季は最多勝(15勝)、最優秀防御率(1・67)の投手2冠に輝き、リーグMVPも獲得した。
オリオールズの本拠地があるメリーランド州ボルティモアに、菅野の舌に合うラーメン店があるかは定かでないが、NPB通算136勝右腕がいよいよ世界に羽ばたく。