女子プロレス「スターダム」の年内最終興行(29日、両国国技館)でワールド王者・中野たむに挑戦する上谷沙弥(28)が、〝救いの手〟を差し伸べる。17日の調印式では王者にワインの瓶で脳天を打ち抜かれ、チキンまで投げつけられると、逆に中野の顔面にケーキをぶつける大乱闘に発展した。不満爆発の〝闇に落ちた不死鳥〟は王者&団体を酷評。野望をブチ上げた。
壮絶な調印式を終えた上谷は「アイツの情緒ヤバすぎだろ。『クリスマスパーティーしよ』とか言い始めたと思ったら、ワイン飲みながら『上谷にはあきれた』とか言って、人のこと殴ってきて肉ほおばってた。それで最後はあのザマ。あの情緒の乱れは中野たむが終わりの証拠。つらそうだから私が赤いベルトを奪って、肩の荷下ろさせてあげようと思って。これは私の優しさ」と会見を振り返った。
ここまでの前哨戦でも中野の終焉を感じたという。2019年7月のデビューからこれまで8度も一騎打ちで死闘を繰り広げた以前の中野と比べて物足りない。「やっぱり去年ヒザをケガして、体がボロボロなんだろうな。動きも悪いし、戦っても全然刺激がないんだよね。もうアイツは終わりなんだよ。だから楽にさせてあげたい」と〝慈悲の心〟まで見せた。
だが、屈辱を味わわされた怒りは、岡田太郎社長に飛び火した。中野に言われるがままワインを持ち出し、チキンやケーキをセッティングしていた岡田社長の姿に心底あきれたと明かし「社長のくせにヘコヘコしながら使われてる姿を見て無能な社長だと思ったし、社長が中野たむに手のひらで転がされてるなんて、つくづく残念な会社だなって。岡田がたむワールドの呪いにかかってる間は、スターダムも変わらない」とバッサリ。自身が王座を戴冠し団体の〝救世主〟になるという。「このままじゃダメでしょ。だから私がベルトを巻いてスターダムをめちゃくちゃにかき乱してあげる」。
王座獲得後には、やるべきこともある。王座戦の3日後の来年1月1日には自身が保持しているWAVEレジーナ王座のV1戦(新宿フェイス)が決定。対戦するNEXTトーナメント優勝者の狐伯に対して「私がレジーナのベルトを巻いた時、会場中が私の虜になってた。でも普通、外敵が王者になったら、WAVEの奴らはもっと焦らないといけないと思うんだよ。もっと狐伯は危機感もった方がいいんじゃない?」と挑発した。
最後には「スターダムの頂点のベルト巻いて元旦から試合をしに行ってやるんだから、WAVEの奴らはちゃんとお年玉を準備して盛大に祝え」と通告。不死鳥の勢いは止まらない。