【岡田紗佳のもう一度見たい麻雀Mリーグ】
12月12日第2試合 南4局1本場=萩原聖人(雷)、渋川難波(サ)、中田花奈(B)、鈴木たろう(ド)
KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。ここ最近、チームは7連続逆連対と苦しい状況だったのですが、渋川選手が断ち切ってくれました。
2着目の中田選手と1800点差という微差のトップ目で迎えたオーラス1本場の4巡目、ピンフの一向聴でしたが、浮いている7筒ではなく1筒を切ってタンヤオに向かいます。
確かにペン3筒を引き入れれば役ありテンパイになるのですが、トイツの2筒と2索は鳴きやすい牌で、ここで7筒を切ったとしてもポンするケースがほとんどです。鳴いた時に手広いのが7筒残しで、狙い通りすぐに2筒をポンして広いくっつきの一向聴となりました。
なかなかテンパイしない中、12巡目に8索を切ると下家の中田選手が長考してチーし、悩んで4萬が出てきました。258萬でテンパイしており、この時渋川選手の手の中に萬子5678と持っており大ピンチだったのですが、次巡に5萬を引いて5萬と2索のシャンポンでテンパイしました。
3萬を持ってきた14巡目が分岐点となりました。8萬も切れる中、渋川選手が選んだのは3萬ツモ切りで、放銃を回避しました。中田選手には3萬も8萬も通っていないにもかかわらず、なぜ正解を選べたかというと、“間”にあります。中田選手は考えて4萬を切っており、これが445からのシンプルな36萬待ちならば悩まずにパッと切るでしょ、と渋川選手は読んだのです。
244からのカン3萬もなさそうですね。渋川選手に2萬は通っているので、わざわざ危険な4萬を切って受けるとは考えにくいからです。3萬シャンポンも考えにくく、3萬が愚形に当たる可能性はほぼありません。ここで放銃しなかったことは本当に大きく、最後は3着目の萩原選手が2着浮上となる満貫をツモり、ギリギリトップで逃げ切りました。
この日の1戦目で私は6連続ラスを引いてしまい、もっと落ち込むだろうと思っていたのですが、このトップで随分気持ちは救われました。渋川選手は普段はおちゃらけているのですが、試合後のインタビューで「400叩こうが、500叩こうがプラスにしますよという気持ちで僕ら全員いるんで、安心して伸び伸び打って帰ってきてほしい」と言ってくれて頼もしかったし、漢気を感じました。