2034年のサウジアラビアW杯は、スタジアムでの飲酒が禁止される見通しだと、英紙「ガーディアン」が報じた。
国際サッカー連盟(FIFA)は11日に臨時総会を開き、30年大会はスペイン、ポルトガル、モロッコの共催(W杯100周年を記念し、第1回開催国のウルグアイに、アルゼンチンとパラグアイを加えた南米3か国でも1試合ずつ行う)で、34年大会はサウジアラビアで行うことを決定した。
イスラム教国のサウジアラビアではアルコールが禁止されていることから、W杯での扱いが注目される中、同紙は「FIFAはアルコール問題について公には言及していないが、幹部はガーディアンに対し『試合でビールを販売することはない』と語った。他の多くのイスラム諸国とは異なり、サウジアラビアでは高級ホテルでもアルコールの販売は禁止されている」と伝えた。
FIFAは、イスラム教国のカタールで開催された22年のW杯ではスタジアムでビール販売を行うつもりだったが、カタールの王族、アル・サーニー家が反対し、開幕2日前に販売を撤回した過去がある。スタジアムから何万本ものバドワイザーの樽が撤去されたことで、ABインベブ(バドワイザーの親会社)に約4000万ポンド(現在のレートで約78億円)の補償金を支払うことになった。
カタールW杯ではドーハ中心部のファンゾーンでビールが販売されたが、サウジアラビアは同国よりアルコールに関しては厳格なだけに、同様の形となるのかは不透明だ。ABインベブが、34年大会のスポンサーになるかは決まっていないが、この状況でどのような判断を下すのか。