ボクシングの大橋ジムの大橋秀行会長(59)が18日、横浜市内で開いた会見で、24日に東京・有明アリーナで予定されていたスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)の防衛戦が、IBF&WBO同級1位の挑戦者サム・グッドマン(26=オーストラリア)が左まぶたに裂傷を負ったことで来年1月24日に同会場での開催に延期されたことの経緯を説明。また、期待されているWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26=M・T)との対戦について、来年は「ない」と明言した。
グッドマンが来日直前に負傷したことが14日に海外で報じられ、それを報道関係者からの連絡で知ったという大橋会長。即座に対応に動き、「9割ぐらい」決まっていたという代役との対戦が代役陣営の判断で流れたものの、偶然にも会場が確保できたことで「3時間半ぐらいでまとまった。奇跡的に」と胸をなでおろした。
延期を聞いた井上は「そうですか。ちょうどいい練習期間になります」などと話していたと言い、「すごいですね。あの前向きさ。普通なら『えー!?』とか言いたくなりますよね」とモンスターの精神面に驚嘆。会場費、広告費などの延期にかかる経費も巨額なものになると思われることには、「それは言わないで。大変ですよ。察してください」と渋い表情だった。
この延期により、中谷戦実現に影響は出るのだろうか。大橋会長は井上の来年の計画について、米国、サウジアラビア、最後が日本の計3試合を行う見通しを語っていた。グッドマン戦が来年にずれ込むことで年4試合をなると思われたが、「4試合にはならない。伝わっている計画とちょっと違う」と明言。来年に日本での開催が予想されていた中谷戦も「ない」と言い切った。
また、以前から井上との対戦を求めて挑発的な言動を繰り返しているムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)が15日(現地時間14日)にモナコでWBA同級暫定王座を獲得。その後、SNS上で、WBAから井上との対戦指令が2度出されたことを主張し、「あなたは2度とも避けた。あなたが武士道を尊重し、侍として行動するなら、いまや切腹が唯一の道だ」と過激な言葉で再度挑発した。
だが、大橋会長は以前から、2023年12月に井上に敗れたマーロン・タパレス(フィリピン)にアフマダリエフが同年4月に敗れていることで、無敗のグッドマンの方が妥当な挑戦者であるとの考えを示している。今回の挑発も「全然気にしていない」と、今後の計画に影響することはない考えを示した。