新日本プロレス「Road to TOKYO DOME」が18日の所沢大会で開幕。来年1月4日東京ドーム大会でEVILとのランバージャックデスマッチに臨む棚橋弘至(48)が、〝人生初の感情〟を明かした。
棚橋はこの日の大会で矢野通、ボルチン・オレッグ、マスター・ワトと組んで「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のEVIL&SHO&金丸義信&ディック東郷と8人タッグ戦で激突。開始のゴングを待たずしてH.O.Tのお株を奪う奇襲を仕掛けていった。
H.O.Tも負けじと悪の連係でワトを孤立させ、串刺し攻撃の連発から東郷が急所攻撃を見舞ってくる。それでもスポイラーチョーカー(ワイヤーチョーク攻撃)は矢野がカット。さらには棚橋がEVILを場外へ排除し、ワトをアシストしていく。最後はワトが東郷との切り返し合戦からベンダバール(変型ネックロック)に捕らえ、ギブアップを奪った。
たび重なる悪行、そして挑発に堪忍袋の緒が切れた棚橋の要求によって、同戦はランバージャック戦に変更。さらに敗れた場合は2026年1月に予定している引退を前倒して、現役生活にピリオドを打つ決意まで明かしている。
棚橋は「僕はね、他人に対して激しい怒りの気持ち、感情というのを本当に感じたことがない。自分が我慢すればこの場は収まるわと思って成長してきたというか、そういう子供だったんでね。怒りの感情があるとすれば、その場をどうにもできなかった自分への怒り、何かを成し遂げられない時の自分への怒り。けど、今本当に初めての感覚で戸惑っている」と抑えきれない怒りを告白。「誰かをこんなにも倒して、反省させて『本当にすみませんでした、二度とやりません』と言わせたいのは人生で初めてです」と声を震わせた。
「この怒りを解放した時、自分がどういう状況、状態になっているか分からないんだよね。キレたことがないから。だからそれを僕の未知なる部分、引き出しだとするなら、俺はレスラー人生最後の最後まで進化が止まらないっていうことです」と言い残して控室へ消えたエース。遺恨渦巻くドーム決戦は、不穏な気配が充満している。