阪神・才木浩人投手(26)が20日に兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、球団に数年後のメジャー挑戦の意向を伝えたことを明かした。今季はエース格として大活躍した右腕について、他球団スコアラーは〝お手上げ状態〟だったことを明かしつつ、メジャーとの契約を「複数年の大型契約になるのではないか」と大胆に予想した。
今季の才木は13勝3敗、防御率1・83とエース格の活躍を見せ、侍ジャパンにも初選出。この日は7000万円アップの推定年俸1億2000万円でサインした。プロ8年目で大台突破となったとはいえ、それでも投手タイトル獲得には至らず。「今年も2位、3位とかの成績でしたし、それは僕の中ではあまり価値がないと思ってるので。タイトルとか、1番にこだわっていい成績を残せるようにやっていきたいです」と冷静に語った。
契約更改では、球団に数年後のメジャー挑戦の意向も伝えたという。「こちらからの要望として、一応話をしました」。その上で来季は27歳を迎えるシーズンとなることから「将来的に年齢もあるんで。30代になったらちょっとしんどいなと。28、29(歳)ぐらいでいけたら、僕の中ではベストかなと思っています」と語った。
また、同日取材に応じた粟井一夫球団社長も「基本的にはポスティングは認めないが」と前置きしつつ「今後の時間をかけて話していくこと。夢とか希望はどんどん持ったらいいと思う」と一定の理解を示した。
その一方で、今季飛躍を遂げ、メジャー移籍への夢も語った虎の右腕の「すごさ」を他球団スコアラーはこう明かす。
「本当に1番いいストレートですよね。あの高めの真っすぐを打っても、ヒットになる確率は低いので。低め低めを狙っていますし、強打者だと〝力負けせずにいってもいい〟というイメージもあると思うんですが、ベルトより上の球を打つのは本当に難しかったと思います…」。最速150キロ台後半を計測する力強い直球を軸にシーズンを通して抑えられ、まさに〝お手上げ状態〟だったようだ。
また、メジャー移籍となった際の契約については「3年後だとしても、順調にいけば〝3年総額50億円〟の契約は結べるんじゃないですかね」と指摘する。
現在MLBではドジャースの大谷と山本、パドレスのダルビッシュ、カブスの今永ら日本からの移籍投手が大活躍中。〝バブル沸騰〟の状況だからこそ「向こうでの評価が高いイメージがあるので。日本のブランドというか、そういうものを感じます」とし「(オリオールズ入りした)菅野投手も単年約20億円。小笠原投手(中日)も日本でバリバリ活躍していたかと言われれば、そうではないですが、今の時期だからこそ、メジャーに挑戦できると思うので」と日本人選手の「市場価値の高さ」も明かしていた。
阪神では2022年オフに藤浪がポスティングシステムでアスレチックスに移籍し、今オフには青柳が同制度を利用してのメジャー挑戦が認められている。11月に開催された「第3回プレミア12」では世界相手にも、その実力を発揮した虎の右腕。今後、憧れの世界に飛び込むことはできるのか、果たして――。