フィギュアスケート男子で全日本ジュニア王者の中田璃士(りお、TOKIOインカラミ)は、思い出の曲で最高の舞いを披露した。
ショートプログラム(SP)2位で迎えた全日本選手権2日目(21日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)のフリーでは、元選手で父の誠人氏がかつて演じた「パイレーツ・オブ・カリビアン」の曲調に合わせ、冒頭の4回転ループを何とか着氷。その後は4回転トーループなども成功させ、173・68点をマークした。合計263・99点で2位に入り、今大会を制した鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)以来、ジュニア勢では5年ぶりの表彰台を勝ち取った。
演技後にはリンクに大の字で倒れ、両手で渾身のガッツポーズ。天井の景色は「天国だった」と笑みを浮かべた上で「(ジュニアグランプリ)ファイナルの前までは全日本選手権で6位以内に入れれば十分だと思っていた。あそこの負け(銅メダル)で結果を残さないと、去年の自分よりも弱いんだなと思われるのが嫌で3位以内を目指した」と頬を緩めた。
両親からは「今季パイレーツであまりいい演技ができていなかったので、来季は違う曲にした方がいいんじゃない?」と言われたというが、「せっかくこの曲で滑れているので絶対嫌だ」と己の意思を貫き、大舞台で相性の良さを証明。16歳での表彰台は未来への大きな糧となる。