F1レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が、姉妹チームであるRBの角田裕毅(24)を昇格させなかった判断に触れながらレッドブルグループから〝退団勧告〟を行ったとして大きな波紋を呼んでいる。
角田はRBで4年間実績を積み、今季はマシン性能が劣る中で驚異的なパフォーマンスを披露して急成長ぶりをアピール。レッドブルのセルジオ・ペレスが不振により更迭された場合は有力候補としてファンやメディアから高い支持を受けていた。
しかしフタを開けてみれば、人事権を握るホーナー代表の〝お気に入り〟とされるローソンが実績不足にもかかわらず昇格が決定し、レッドブルのシートを獲得した。
この決定を受けて、以前から角田の評価に消極的なホーナー代表が今後の動向について驚きの発言をして物議を醸している。
英メディア「GPファンズ」によると、ホーナー代表は報道陣の取材に応じた際に「正直に言って、今年までにユウキにチャンスを提供できないとしたら、それが意味をなすのか、私たちは痛感している。5年間もサポートチーム(RB)にドライバーがいるわけにはいかない。ずっと〝花嫁の付き添い役〟を務めるわけにもいかない。その時点で彼らを手放すか、何か違うものを探すかのどちらかをしなければならない」と説明。つまり、昇格させるつもりがない角田にグループ内に居場所はないと示唆したのだ。
これは事実上の退団勧告にあたる。同メディアは「チームメイトたちに対する素晴らしい記録にもかかわらず、ホーナーは、来年角田がメインチームに昇格しない場合、レッドブルは角田を完全に解雇することを検討する可能性があることを認めた」と指摘した。
ホーナー代表によるローソン昇格の判断に批判が集まる中で、今度は角田を追い出すような発言に議論が沸騰。F1専門ユーチューブチャンネル「ラ・フォーミュラ・デビッド・ペロギル」は「ホーナーはセルジオ・ペレスを裏切ることで解雇を決定づけ、レッドブルF1に大失敗を宣告した。そして今、彼は角田に『失せろ』と嫌がらせをしている」と猛批判を展開した。
角田をめぐってレッドブルグループが瓦解し始めている。