〝大器晩成〟だ。大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)の新番付が23日に発表され、新入幕を果たした玉正鳳(31=片男波)が、都内の部屋で会見に臨んだ。
モンゴル出身の玉正鳳は、春日山部屋時代の2011年秋場所の前相撲でデビュー。だが、その後は所属部屋の閉鎖などにより、4部屋を渡り歩いた。初土俵から所要79場所での新入幕は、戦後の外国出身力士としては1位のスロー昇進となった。
その苦労人は会見で「うれしい。(幕内は)長年の夢であって、力士としての目標でもあったので達成できて良かった。まだまだ、これからもっと成長していきたい」と満面の笑み。スロー昇進については「別にあまり気にしていない。早く上がっても、遅く上がってもこれからなので。(幕内に)上がって長く相撲を取れればそれで十分だと思う」と語り、今後に向けて闘志を燃やした。
会見に同席した師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「(玉正鳳は)幕内に上がれると思ってなかった。今日こうして記者会見に来て、皆さんに来ていただけるのも想像してなかった。まだまだ前に出る力とか必要なところはあるけど、ここ一番の勝負強さと相手との間の取り方が非常にうまい。(場所前に)出稽古に行って勝てなかった力士に本場所で勝つし、そういうところは本人なりに研究してるのかな」とまな弟子の長所を明かした。
本人も「絶対に(本場所で)対戦相手と当たる前日に、10番から20番ぐらい相手の相撲を見る。師匠からよく『相手の癖を見抜け』と言われるので。そういうのを毎日考えて『この立ち合いでいこう』と決めて、思い切りやっている」と明かした。
初場所に向けて「番付は意識せずに、自分の相撲だけをしっかり考えて取る」と意気込んだ。