元経産省官僚で経済評論家の岸博幸氏が23日、大阪・読売テレビ制作の夕方ワイドニュース番組「かんさい情報ネットten.」に出演し、103万円の壁問題について言及した。
103万円の壁は日本の課題を表しているという岸氏は「日本は残念ながら、この30年ぐらいで、すっごい貧乏になってるんです。日本人の平均年収は、アメリカ人の半分以下です。所得税を払っている人の半分近くが年収300万円以下。先進国で最低レベルです」と指摘した。
年収103万円の壁をめぐり、国民民主党は103万円から178万円への引き上げを求めた。与党側は引き上げには合意したものの、提示額は123万円。それに対して国民民主党は「合意したのに大きくかけ離れた形でまとめられ残念」とコメントし、24日に与党と国民民主は協議を再開する。
これまでの与野党のやりとりを振り返って、岸氏は「123万円のままいっちゃうのかってことばかり議論されていて、日本の国民を豊かにするという観点が抜けちゃってるのが問題なんです」と憂いた。
共演したフリーキャスターの伊藤聡子氏は「みんな苦しいんですよ。本当に物価が上がってる中で、学生さんたちもバイトも大変だし。労働力不足ですから、そこを働けるようにしなくちゃいけない。構造的に変えていかなくちゃいけない」とコメントした。