イタリアの政治家で「独裁者」と呼ばれたムニート・ムッソリーニのひ孫でイタリア2部ユーべ・スタビアに所属するDFロマーノ・フロリアーニ・ムッソリーニ(21)のプロ初ゴールが物議を醸している。
イタリア1部ラツィオからレンタルで加入した〝ひ孫〟のロマーノはチェゼーナ戦(22日)でプロ初得点をマーク。すると、スタジアムのアナウンサーが「ロマーノ!」と熱狂するファンらに呼び掛けると、観客はたちは「ムッソリーニ!」と応答。その際に多くのファンが「ローマ式敬礼」で祝福したという。
イタリアメディア「WANTED in ROME」によると、同メディアは「歴史的にファシズムと関連付けられており、それが適切かどうかの懸念を引き起こしている」とし「スポーツの場でファシズムに結びついたシンボルやジェスチャーの使用に関する議論を再燃させた」と報道。
ドイツメディア「ntv」は「イタリアの警察はこの事件を捜査している。イタリアサッカー連盟(FIGC)も調査を開始した」という。
イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」は、以前にロマーノ自身が「ムッソリーニ」という名前について「偏見は存在するが、私の仕事はムッソリーニとは関係ない。気にしていない。それが私のキャリアに影響を及ぼすとしたら非常に残念なことだ。重要なのはピッチで何をするかだ」と語ったと報じている。
同メディア「WANTED―」は「ロマーノが選手としてキャリアを続ける中、彼の名前と、それが引き起こす反応に注目が集まることは、アスリートとしてのアイデンティティを築くことの難しさを浮き彫りにしている」と伝えていた。