【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(36)】戦力外通告を受けた2019年のオフ。野球界に何らかの形で残るのか、保険業界に入るのか――。模索していたころ、NPBのスーパースターと共演する機会に恵まれました。
僕は佐賀県出身で、オフには可能な限りプロ野球の佐賀県人会に出席するようにしています。会長は日本ハム、横浜のOBでもありオリックス時代の先輩、野中信吾さんが務められています。
野中さんはめちゃくちゃ足が速い選手で、岡田オリックス時代に横浜からトレード移籍してこられました。12年にはチーム最多の12盗塁を記録しています。現在は地元の佐賀県神埼市の教育委員会にお勤めされていて、佐賀県人会を取り仕切ってくれています。
佐賀県人会では少年野球の指導をさせてもらっているのですが、これって段取りが本当に大変なんです。出席者への案内から、少年野球チームの選定、球場の確保、現地での宿泊や移動の手段などやることは多岐にわたります。ただ、そのあたりは地元の自治体でお仕事されている野中さんにかかればお手のものです。
グループLINEとかでの連絡ではなく、野中さんが管理されている住所録から各選手に郵便が届いて返信するシステムで、確実に運営されています。
今現在では佐賀県出身の野球選手といえばDeNA・宮崎敏郎でしょう。しかし、過去から振り返れば西武で優勝監督にもなった辻発彦さん、広島をリーグ3連覇に導いた緒方孝市さんらが超有名選手ですよね。ダイエーや巨人で活躍された岸川勝也さんも少年時代に人気のあったスター選手です。
で、その19年は現役バリバリのスター・長野久義さんが佐賀県人会に初めて参加されたんですよ。長野さんは佐賀県出身ではありますが、実は福岡県育ちなんですね。現在の実家は福岡にあるので「俺は佐賀県人ではない」とずっと言い続けていたそうです。
当時の長野さんはカープの一員でした。なぜ、急に佐賀県人会に来てくれたのか? これは迎祐一郎さんの力によるものだろうと想像しています。迎さんは佐賀・伊万里商からオリックス・ブルーウェーブ入り。引退後にカープのコーチをされていたので、長野さんを引っ張ってこられたんだと思います。
若手でいうと19年には大阪桐蔭で甲子園優勝投手の前日本ハム・柿木蓮投手、元巨人育成の田中豊樹投手らが参加してくれています。その模様をインスタグラムにアップしたところファンの方々からも反響をいただきました。
柿木も田中に関しては「#この2人はボーイズの敵チーム #田中君は巨人の育成へ #柿木蓮くんは甲子園の優勝投手」などと紹介しておきました。
長野さんに関してはツーショットとともに「#まさかの長野さん #広島の長野さん笑 #来てるの初めて見た笑」と投稿させていただいております。
佐賀県は福岡県の隣なのですが、めっちゃ田舎なんですよ。名産は佐賀牛や海苔(のり)、呼子のイカですか。有田焼、伊万里焼など陶器も有名ですが、なかなか派手ではない県なので、これからも盛り上げていきたいですね。少年野球で指導した子供たちの中から将来のNPB選手が出てくることを楽しみにしています。