チャールズ国王はクリスマスの日に君主として3度目の国民向け演説を行う。家族が経験した健康問題との闘いについて語る予定で、これまでの〝伝統〟を破ったものになるという。英紙エクスプレスが23日、報じた。
76歳のチャールズ国王は、王室の邸宅でクリスマスメッセージを撮影する伝統を破り、現在は取り壊されたミドルセックス病院の元礼拝堂であるロンドンのフィッツロビア礼拝堂から放送を収録することを決めた。同礼拝堂は荘厳な美しさを誇ることで知られている。今年はがんとの闘病生活を経て、元病院の礼拝堂を選んだものと思われる。邸宅からの演説放送が行われないのは、エリザベス女王時代を含め14年ぶりとなる。
国王は年次演説で医療事者の努力に焦点を当て、サウスポート刺傷事件後の暴動を受けて地域社会の結束を称賛する予定だ。また自ら書いたメッセージには、自身とキャサリン皇太子妃が、立て続けにがんと診断された異例の1年を振り返る内容も含まれている。
バッキンガム宮殿は、演説が12月11日に礼拝堂で収録されたことを明かし、クリスマス当日に放送される予定の国王のクリスマスメッセージの写真2枚を公開した。
フィッツロビア礼拝堂の美しい背景を背に、国王は松ぼっくり、金属のベル、ねじれたガラス、ガラスのボールなど、持続可能な装飾で飾られた生きたクリスマスツリーの前に立ち、カメラに向かって笑顔を見せている。服装はダークスーツにパリッとした白いシャツ、明るいブルーの柄のネクタイ、ピンクのポケットチーフを身に着けている。
国王は新年に入っても治療を続ける予定だが、宮殿関係者は「非常に良い方向」に向かっているとしており、2025年には公務や海外訪問のスケジュールが増える予定だ。国王の演説はクリスマス当日の午後3時にテレビとラジオで放映され、数百万人の英国民が視聴するものと見られる。