経済アナリストの森永康平氏が24日、「上泉雄一のええなぁ!」(大阪・MBSラジオ)に出演し、年収103万円の壁問題について言及した。
年収103万円の壁をめぐり、国民民主党は103万円から178万円への引き上げを求めている。与党側は引き上げには合意したものの、提示額は123万円。これに対して国民民主党は「合意したのに大きくかけ離れた形でまとめられ残念」と反発していた。24日に与党と国民民主党は協議を再開した。
それぞれの政党が提示した金額には根拠があるとした森永氏は「国民民主の178万円は、1995年の最低賃金が611円だと、それが(今)1015円ですから1・725倍になっている。その間、基礎控除が103万円で動いてないから、それに1・725倍かけて178万円にしようという話」と解説した。
さらに与党側の妥協案123万円について「物価をみている可能性が高い。もうひとつ毎月、勤労統計という厚労省が出してる数字」と指摘。この統計のパート労働者の現金給与総額が30年くらいで17・7%くらい上がっており、そこから出された数字だろうと推察し、お互いに適当な数字で議論しているわけではないと説明した。
自公側に問いたいとし「第2次世界大戦以降、この長き(30年)に渡りデフレ経済をやった国って、日本だけなんです。情けない醜態をさらしておきながら、物価が上がってないから壁は上げなくていいんだ、みたいな。お前少しは恥ずかしがれ」と批判した。
最後に石破茂首相が2020年代に全国の最低賃金を1500円まで上げると宣言していることを引き合いに出し「あと5年で500円近く上げるって言ってて、一方で壁を動かさなかったら、人手不足だって騒いでるのに、(働き控えを)より加速させる。言ってることと経済政策がちぐはぐ過ぎて、一貫性がない」と指摘した。