東京美容外科の統括院長の麻生泰氏が24日、「X」(旧ツイッター)を更新し、炎上騒動を招いた所属医師の処遇について発表した。
東京美容外科の女性医師・黒田あいみ氏はグアムで行われた解剖研修で献体を背景にピースしながら記念撮影を行い、これをSNSに投稿。さらに、献体の一部にはモザイクがかかっておらず、大炎上の事態となっている。
これを受けてきのう23日、黒田氏はブログで謝罪。統括院長の麻生氏は「大変申し訳ございません。主催者の1人としてお詫びします」としつつも「解剖をする事は外科医にとって、とても重要な意味を持ちます」と遺体解剖の必要性については強く訴えていた。
この日は「黒田医師への処遇について」と題した投稿で「様々な方々から、大学の先生を含め、黒田医師を解雇するように助言がございました」と明かしながら「黒田先生は、学生時代のホルマリン固定標本とは異なる、精度の高いfresh cadaverを初めて目にした感動をなんとか伝えようと、あのような投稿になってしまいました」「動機は善で、彼女に他意はありません」との理由から「炎上でトカゲの尻尾切りのように解雇する事はできないと判断しました」と伝えた。なお、炎上を招いた〝ピースサイン投稿〟については「当然不適切」と断罪している。
また、この騒動を経て「献体はしたくない」といった意見がSNSで増加している。麻生氏も「今回の事で、国内の施設で我々が、解剖する事は今後絶望的となってしまいましたし、他の美容医療に携わる方にも大変迷惑をかけてしまいました。医学会全体を巻き込む事態にもなってしまいました」と反省の思いを口にする。
ただ「死者への尊厳ももちろん大切ですが、今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか? それが解剖セミナーの趣旨ですし、どんな言い訳や神妙な態度をとったところでご遺体を損壊する事実に変わりありません」とつづり「故人に感謝しながらも、その知見を今後の患者さんに活かしたいと思います」と今後も適切に遺体解剖を行っていく方針を示した。
最後は「海外のfresh cadaverのセミナーでは割とフランクに記念撮影もしますし、セミナーの様子もネット上に出てきます」と黒田氏をフォローするかのようにネットの画像を紹介し「日本と海外のルールの違いはあるかと思いますが、日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか今一度考えて頂きたく思います」と過度な批判を送る一部ネットユーザーに反発している。