F1レッドブルで姉妹チームであるRBからの昇格を逃した角田裕毅(24)が、移籍の可能性を示唆した。
角田はRBで4年間着実に実績を積み重ね、今季は才能が一気に開花。マシン性能が劣るRBのマシンでたびたび傑出したドライビングを披露して、世界を驚かせた。レッドブルでセルジオ・ペレスの更迭論が浮上した際には有力候補に浮上。OBやメディアからの支持率も高かったが、結局、人事権を握るレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表の鶴の一声により、リアム・ローソンが抜てきされるに至った。
この決定後、ホーナー代表や同グループの重鎮ヘルムート・マルコ博士などが角田に対して冷遇とも取れる発言を続けて物議を醸す中、英モータースポーツ専門メディア「モータースポーツウィーク」に対して角田が移籍について激白した。
同メディアは「角田裕毅がF1移籍の可能性を左右する要因を明かす」と題して大々的に報道。「角田は、レッドブルの組織を離れるかどうかは、グリッド上の他のチームで適切な環境を見つけられるかどうかにかかっていると強調した」と指摘する。
そして、角田は「そうですね、もちろんパフォーマンスは重要だと思う」と切り出した上でこう続けた。「しかし、ピエール(ガスリー)が(チームを去ったときに)何を決めたのか、その理由は分からない。だがピエールはその時点で、パフォーマンスのみで決めたのではないことは確かだ」と元同僚で盟友のガスリーの決断にまずは言及した。
さらに「また、僕は雰囲気やその他すべてに集中したいので、必ずしもパフォーマンスだけを取り上げたいわけではない。加えて、チーム代表の人柄や、チームの雰囲気が自分の性格に合っているかどうかも考慮する」。チームを率いる指揮官との関係性も移籍する上で重要な要素だと強調した。
一方で「でも今のところ、レッドブルファミリーには満足している。このチームで成功したキャリアを築けることを願っている」とも付け加えた。
また、角田は同メディアを含む報道陣に対しても去就問題を説明。「正直に言うと、2026年もVCARBで出場できるかもしれない。来年が最後のレースになるとは何も言われていなかった」とした上で、レッドブルグループの〝変化〟も指摘。「彼らはドライバーに対するアプローチを少し変えたと思う。正直に言うと、彼らが何を望んでいるのかよく分からない」と戸惑いを見せた。
そして「でも、ドライバーとしては正直、彼らに頼り続けるわけにはいかない。特に、いろいろな話が出ていますから…」と意味深な発言。「だから、何か選択肢があるのは常に良いことだ。正直に言うと、今のところ僕は必ずしもそれを見つけようとしているわけではないが」と続けた。
レッドブル首脳陣との溝が深まりつつある角田。その去就に注目が集まっている。