注目を集めるMF佐野海舟(23)の復帰はあるのか。日本代表は9月にスタートした北中米W杯アジア最終予選C組で独走し、本戦出場に王手をかけている。来年3月に8大会連続のW杯が決まれば、森保一監督は新たなメンバーを試していく方針。これまで招集や出場の機会に恵まれなかった選手には大きなチャンスとなる中で、元日本代表MF前園真聖氏(51=本紙評論家)が現在ドイツで絶好調の佐野らイチオシの選手を挙げた。
最終予選で首位を独走中の森保ジャパンは、来年3月20日のバーレーン戦(埼玉)に勝てば8大会連続のW杯出場が決まる。残る3試合が〝消化試合〟となれば、指揮官は若手の抜てきや、主力として起用されてこなかった選手を試していくとみられる。
前園氏は、その方針に「次、勝って決めるのがベスト。まずはそこにフォーカスするのが大事になります。当然、そこで勝てば、いろいろ試せるでしょう。これまであまり呼んでこなかった選手が入ってくると思います」と期待を寄せる。
そこでまず注目するのが、A代表では経験の浅い佐野だ。今季は欧州1年目にして、ドイツ1部マインツでいきなり存在感を発揮。リーグ戦開幕から15試合にほぼフル出場し、デュエルの強さなど欧州の舞台でも自身の武器を生かしている。
そんな奮闘ぶりに前園氏は「もちろんマインツの中で中心ではありますけど、ブンデス(ドイツ1部リーグ)の中でも評価は高いです。ボランチ(守備的MF)の位置で守備のところでボールを奪えますし、運動量もあってハードワークできます」と絶賛した。
佐野が担う守備的MFには、MF遠藤航(リバプール)、MF守田英正(スポルティング)、MF田中碧(リーズ)らタレントは豊富だが「代表でもすぐに出られるパフォーマンスをしていますので、来年は呼んでほしい選手の一人ではあります」とA代表復帰を猛プッシュする。
さらに「どの選手でも言えることですが、遠藤や守田がケガや出場停止とかで出られないこともあります。そう考えると必要な存在になります」と指摘。戦力の底上げという意味でも、代表での経験値の上積みが重要となる。
また前園氏は、同じくA代表経験が少ない、ドイツ1部キールのFW町野修斗(25)も推す。今季はチームの1部昇格により、トップカテゴリーでプレー。ここまで6ゴールをマークしており「これまであまり呼べてないですけど、結果を出していますし、面白い存在かなと思います」とその能力に着目する。
続けて「1トップというところで、森保監督は古橋(亨梧=セルティック)のような裏へ抜け出す選手よりは、起点となれる選手を好むような気がします。そういう意味で町野はフィットするのではないでしょうか」。FW上田綺世(フェイエノールト)らとポジションを争える存在とみている。
佐野や町野以外にも、現主力を脅かしそうな〝予備軍〟は、めじろ押し。2025年、森保ジャパンの勢力図に変化は起きるのだろうか。