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【阪神】右中間だけにラッキーゾーン? 佐藤輝明救済へ…甲子園〝アシメ化〟を球団OB提言

東スポWEB 2024年12月25日 5時5分

まさかの甲子園〝アシメ化〟計画が急浮上か――。阪神・佐藤輝明内野手(25)が契約更改の場で球団に要求しながら、無情にも即却下されてしまった「ラッキーゾーン復活案」にモダンでオシャレな〝解決策〟が提示された。同球場といえば左中間&右中間が極端に深い独特の構造と、左打者泣かせで知られる浜風が有名。罪な強風に何本ものアーチをオシャカにされてきた虎の背番号8を救済するには、もはやこの案しかないのかもしれない。

「毎年恒例のように球団にはお願いしていたんです。言わないと始まらないんで」。23日に行われた契約更改後の記者会見で、そう語る佐藤輝の目は真剣そのものだった。

今季の本塁打数はキャリア最少となる16本。原因の全てを風になすりつけるつもりは毛頭ないが、確かに今季は気の毒すぎる場面が例年以上に多かった。生粋のプルヒッターが確信とともに右翼方向へ放った大飛球が理不尽なほどの強風に押し戻されて平凡な右飛――。一発さえ出ればチームも、自身も変わることができたかもしれない瞬間に何度も心をへし折られてきた。「自費でも設置したい? そりゃ、つけさせてもらえるならね」と口にし、冗談とも本気ともとれる苦笑いを浮かべていたほどだ。

各球場で「どれだけ本塁打が出やすいか」を示す指標「パークファークター(PF)」をひもといてみると、今季の甲子園は12球団本拠地球場の中で最下位となる「0・62」。同1位の神宮球場の「1・92」とは3倍以上もの差をつけられている。今季33発をマークし、本塁打王にも輝いた左の強打者・村上宗隆(ヤクルト)ですら、今季甲子園で放ったアーチはわずか1本のみ。思わず佐藤輝がグチをこぼしたくなる気持ちも分からなくはない。

とはいえ、そこは今季で開場100周年を迎えた国内屈指の伝統球場・甲子園。同日に記者対応した嶌村球団本部長は「甲子園のあるべき姿が今の球場。今のままで行かせていただきます」と佐藤輝の提案を返す刀でバッサリ全否定。同球場は高校野球の聖地という側面も併せ持つだけに、一選手の了見だけでどうこうとなる問題では確かになさそうだ。

だが、球界内には佐藤輝に同情を寄せる声も多分にある。ある球団OBは「ならば限定的に、右中間部分だけにでもラッキーゾーンを設置することにしてもいいのでは」と提案する。極端に奥行きが深い上に、強い浜風で打球が妨害される同エリアは打者視点から見れば、正真正銘の〝無理ゲー〟ゾーン。低反発バットの導入で高校球児たちの本塁打数も激減している現在ならば、周囲からの理解を得られる可能性もあると考える。

甲子園をはじめとした国内球場のインフィールドは一部を除き、ほぼ例外なく左右対称に設計されている。だが野球の本場・米国では「グリーンモンスター」で有名なボストンのフェンウェイパークや、シカゴのリグレー・フィールドなど左右非対称(アシンメトリー)の構造をした球場が圧倒的多数。それぞれの球場の個性が、野球そのものの魅力を奥深いものにしている。伝統球場の甲子園だからこそ、開場100周年の節目を期に、一度思い切って〝アシメ〟ってみるのも面白いのかもしれない。

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