テレビ番組で活躍するタレントの今田耕司や東野幸治、ほんこん、俳優の板尾創路らが吉本新喜劇に出演していた1990年代、マドンナとして人気だったのが女優の中西喜美恵(60)だ。インタビューで、〝元吉本のドン〟の誘いで新喜劇入りした後、出演過多で救急搬送された過去や還暦を迎えた後の目標について語った。
中西は19歳で女優デビューし、ドラマを中心に活躍していた25歳の時、お笑いの世界に足を踏み入れた。吉本新喜劇に入団したきっかけは、ダウンタウンの初代マネジャーで吉本興業ホールディングス前会長の大﨑洋氏だったという。
「なんばグランド花月で上演されたお笑い時代劇『真田十勇士』の千姫役で出演させていただいた後、『吉本来ぇへんか』と大﨑(前)会長からお誘いを受けて、笑いのセンスは身についていると思っていたのでやってみようかなと。勇気がいったけど、入ってみたら全然」と振り返った。
25歳で入団してすぐに3か月間、休みなく出演し、胃けいれんを起こして救急車で搬送された。
「病院から舞台に行き、今田さんが『喜美恵ちゃん、遠慮なく(演出での後ろからの蹴りを)いかせてもらうよ』と。私も『もちろんです』って」と懐かしそうにほほ笑んだ。
入団して14年間、マドンナを演じ続けた。
他界した新喜劇メンバーにも思いをはせた。
島木譲二さんには「すごく優しくて、よく絡ませていただきました。コンビみたいに出ていたんです」、桑原和男さんは「心臓手術をされて大変な時にお見舞いに行きました。復活してお元気になってすごいなって」とそれぞれ回顧する。井上竜夫さんには「よく手を握られてセクハラが過ぎるので一度、その手をキュッと縛り上げたら井上さんが『あいたたた。すまん、すまん』って。そんなこともありました」と笑顔を見せた。
自身は現在、舞台、映画、ラジオへの出演や和太鼓奏者、ボランティア活動にまい進する日々を送っている。
「上西雄大監督の映画『宮古島物語ふたたヴィラ かんかかりゃの願い』で田村亮さんの奥さん役をやらせていただいて、いきなり抱擁シーンでめっちゃ緊張しました。2022年に『音頭座がらく』で和太鼓奏者として活動するようになったんです。個人的にボランティアもしていて、大阪市北区の絵本の会に6年前から籍を置いて、幼稚園などに絵本の読み聞かせに行っています」
6月の誕生日で還暦を迎えた。今後の目標について「がむしゃらに野心を持っていた時代は終わったので、今までやってきたスキルを生かして好きなこと、楽しいこと、刺激があることをできれば。体力の衰えを感じているのでジムに行って鍛えています。ゴルフが趣味なんです。暑いのも寒いのもゴルフなら平気。エステティックサロンに行って、キレイにすることは意識しています。あと、刺激を得るために体が動くうちに海外旅行にたくさん行きたいですね」と満面の笑顔で答えた。