女子プロレス「スターダム」の〝欲深き黒虎〟ことスターライト・キッドが、ベルトの序列を逆転させる。
29日の東京・両国国技館大会では、ワンダー王者のなつぽい(29)に挑戦する。シングルの対戦戦績は2勝2分け3敗と負けがリードしているが、「挑戦にたどり着くまで、着々と過程をつくってきた。勢いだけの挑戦じゃないんで、自信に満ちあふれていますよ」と闘志をみなぎらせた。
決戦当日、対戦相手と同様に意識するのが王者・中野たむvs上谷沙弥のワールド王座戦だ。「赤(ワールド王座)が一番だと思われているけど、その序列はおまけみたいなもんだと思う。私が白(ワンダー王座)に挑戦するのはそこを変えるため。赤を持っていないと(プロレス大賞)女子プロレス大賞を取れないとか、小さいクラスがそこ(女子プロ大賞)に入れないというのは、長年抱えてきた課題だと思うんです」と指摘する。
キッドとなつぽいは、ともに150センチ。当時の女子プロ界では小柄な157センチの体で、全日本女子プロレスの最高峰王座WWWA世界シングル王座を戴冠した中西百重を例に挙げ「今の女子プロレスの見方を変えないといけないのはウチらのクラス。その先頭に立つのがSLK(キッド)」と言葉に力を込めた。
しかもワールド王座戦には上谷が所属する極悪軍団「H.A.T.E.」が介入し、大荒れの展開になることが確実。「お客さんを気持ち良くさせるって意味では、私たちの試合が一番強いカードだと思う。中野たむが『赤のベルトがナンバーワン』って言ってたけど、その言葉を言えなくしたい」と誓う黒虎が、年内最後のビッグマッチで主役の座を奪う。