本当に保釈条件を守れる!?
4月の衆院東京15区補選で他陣営の選挙活動を妨害した公職選挙法違反で逮捕、起訴されたつばさの党の黒川敦彦代表が25日、都内で保釈後初めての会見を開いた。不当逮捕や無罪のほか、231日間も勾留されたことで「人質司法だ」と訴えたが、保釈後もうかつな言動はできない日々となっている。
根本良輔幹事長、杉田勇人組織運動本部長とともに逮捕された黒川氏は今月17日に保釈された。なかなか許可が下りなかったのは、容疑を否認していることや再び他陣営への妨害行為に及ぶ可能性が警戒されたとみられ、保釈保証金は議員経験もない3人には異例ともいえる各1000万円もの高額となった。
保釈条件で黒川氏は根本、杉田両氏だけでなく、党関係者や妨害したとされる相手陣営関係者への接触禁止が付いた。
「仕事上、根本、杉田と会えないのは困るし、スタッフの中にも接見禁止が付いているのがいて、しゃべられない。この人とこの人がしゃべられないみたいのがパズルみたいになっていて、忘れてしまうのでホワイトボードに書いているが、思い出せないし、本当に困る状況」(黒川氏)
街中でバッタリと会った場合はどうなるのか?
黒川氏の弁護人を務める趙誠峰弁護士は「偶然顔を合わせたら接触ではないが、そういう場合はすぐに弁護人に報告しましょうという話になっている。直接または弁護人を除く他の者を介して面接、通信、電話等による一切の接触はしてはならない。極力顔を合わせることがないように皆さんで協力してやっている」と説明した。
事件そのものについても発言してはいけないという。会見で標的としていた小池百合子都知事の質問が出た際にも黒川氏は「逮捕に関して、警視庁捜査2課に特別捜査本部が何十年ぶりかにできたと。いわゆる国策捜査的な…」と話しかけたところで弁護人からストップが入り、「止めておきます」と口にチャックした。
それでも29日には逮捕された3人が参加する街頭演説会や忘年会の開催を予告している。3人が参加する時間をずらし、鉢合わせしないように調整するとのことだが、危ない橋を渡りたい性分は変わっていない。3人そろっての保釈条件違反で、計3000万円の没収劇となりかねない。