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中国人訪日観光客に高所得者用「10年ビザ」発給 インバウンド期待も効果は「?」

東スポWEB 2024年12月26日 6時10分

外務省は25日、中国人に対する短期滞在ビザ(査証)の要件を緩和すると発表した。

個人の観光目的で訪日する際に必要な短期滞在ビザに関し、10年間何度も利用できる「数次ビザ」を新設する。これまでは5年有効が最長だった。団体観光向けビザについても、これまでの滞在可能日数「15日以内」とは別に「30日以内」を創設する。

これらの緩和は、中国政府が11月に日本人への短期滞在ビザの免除措置を再開したのを受けた措置で、調整がつき次第、実施されるという。

緩和について、すぐに中国でも話題になった。香港紙・星島日報は「新しい政策は富裕層をターゲットにしている。新設される10年のビザは主に富裕層向けで、より高い年収や資産要件などを発給条件に定めており、富裕層の日本での消費促進に便宜を図ることを目的としている」と報じた。

実は中国では、年収によって発給を受けられるビザが異なるのだ。

在中国日本国大使館のホームページによると、ビザは5種類に分かれている。「団体観光ビザ」(滞在期間15日間)、「個人観光一次ビザ」(滞在期間15日間か30日間)、「沖縄・東北六県訪問数次ビザ」(3年間複数回、滞在期間30日間)、「十分な経済力を有する者に対する個人観光数次ビザ」(3年間複数回、滞在期間30日間)、「相当な高所得者に対する数次ビザ」(5年間複数回、滞在期間90日間)だ。

中国事情通は「今回の緩和の目玉の10年ビザは、年収1000万円以上の『相当な高所得者』向けです。日本の観光地は外国人観光客だらけで、中国の富裕層はチベットや雲南省などの田舎旅行で自国を再発見することに注目しています。そんな層を再び日本に呼び寄せるにはどんどん緩和するしかないでしょう」と指摘する。

一方、「団体観光ビザ」の滞在期間が30日間になることも注目されている。

「団体観光ビザは、年収200万円未満で、一生に一度の海外旅行というような方です。5~40人程度での団体旅行です。15日間では交通の便のいい都会や有名観光地だけでしたが、30日間になれば、地方都市など選択肢が増え、中国の旅行業者がさまざまなプランを作ることができるようになります。旅行業者にとって大きい緩和です」と同事情通は話している。

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