ソフトバンクに新加入した上沢直之投手(30)が26日に福岡市内のホテルで入団会見を行い、新天地での活躍を誓った。背番号「10」の真新しいユニホームに袖を通し「再構築」「挑戦」という言葉を繰り返した右腕は、日本球界復帰に並々ならぬ覚悟をにじませた。
上沢は昨オフ、日本ハムにポスティングシステムの利用を容認されて米球界に挑戦。マイナー契約でレイズに入団し、移籍したレッドソックスでメジャー昇格を果たしたが、救援でわずか2試合の登板にとどまった。シーズン終盤には右ヒジを負傷。不完全燃焼のまま帰国を余儀なくされた。
レッドソックス傘下3Aウースターからフリーエージェント(FA)となり、来季の戦いを見据える中でメジャー再挑戦を断念し、日本球界復帰を決心した。「1年で帰ってきたことは僕のアメリカでの挑戦を応援していただいた方には、本当に申し訳ないと思います」。快く送り出してくれた古巣・日本ハムの存在を念頭に、複雑な胸中を打ち明けた。
メジャーに適応しようとあがき、自らの強みを見失った1年だった。「もう一回、自分を再構築する」とレベルアップできる環境を一番に求め、NPB通算70勝を誇る元日本ハムのエースは新天地を選択した。「戻ってきて簡単に成績を残せるような世界じゃない。だから、僕にとっては〝挑戦〟だと思っている」。日本球界復帰を「挑戦」と表現し、ゼロからの再出発を強調した。
古巣のオファーを断り、批判覚悟で選んだ道に「さまざまな声が上がるのは分かっていたけど、この決断がよりよい決断だったと思えるように、これからのプレーだったり、自分の野球で示していきたい」と前を向いた上沢。力強い言葉で、有言実行を約束した。