〝怪物ストライカー〟の素顔とは――。第103回全国高校サッカー選手権の1回戦(29日、フクアリ)で、日章学園(宮崎)が西目(秋田)を6―1で下して快勝。注目を集める日章学園のFW高岡伶颯(3年)は、3ゴール2アシストの大暴れとなった。
卒業後はイングランド・プレミアリーグのサウサンプトン入りが決まっている高岡は、昨年のU―17W杯で日本代表のエースとして4得点をマーク。今大会の目標は、元日本代表FW大迫勇也(J1神戸)が持つ1大会得点記録「10」を大きく上回る20得点だ。
この日は、前半だけでハットトリックを達成し「今日は3点で『あと5試合で20点いけんのかよ』という声もあると思うけど、それが逆にうれしい。もっと注目して、もっとプレッシャーをもらいたい」と〝ビッグマウス〟な一面をのぞかせた。
そんなチームのエースについて、原啓太監督は「なんでもないところからチャンスを作ってくれたり、ヘディングとか得点能力に関して彼は(高校で)日本一の選手だと思う。2回戦以降も得点を量産してくれることを期待している」と実力を高く評価する。
2020年に就任した原監督は、1年時から高岡のクラス担任を務めている。普段のエースの人柄について「教室ではめちゃくちゃ大人しいし、真面目。普段は『注目しないで…』という感じ。授業もちゃんと聞くし、成績も優秀。地頭もいいし、休み時間も1人でアプリやサウサンプトンから渡されたもの(教材)で、英語の勉強ばかりしている」と明かした。
その上で「(高岡が)強気なことを言うのは、サッカーのことだけ。普段は大人しくて思いやりがあるけど、負けん気が強いし、サッカーのことになったら180度(人柄が)変わる。サッカーになるとオープンマインドで素直だし、オンとオフがしっかりしている。真面目だけどやる時はやるし、一番いい」と高岡のメンタル面を絶賛した。
原監督は、来年海を渡る教え子に向けて「魅力はいっぱいあるし、みんなに愛される選手になってほしい」。恩師のためにもエースの力で、チームを全国優勝に導けるか。