日本ハムの野村佑希内野手(24)にチーム内外から期待の声が高まっている。
2025年シーズンでプロ7年目を迎える「未完の大器」は本拠地・エスコンの開業元年だった23年に「開幕4番」を任され躍動。自己最多となる125試合に出場し打率2割3分6厘、13本、43打点をマークした。だが、飛躍が注目された24年シーズンは56試合で打率2割1分、2本、9打点と低迷。チームのリーグ2位躍進とは対照的に一人精彩を欠いた。
そんなもがき苦しむ和製大砲候補にあえて重責を担わせ奮起を促しているのが新庄剛志監督(52)だ。
指揮官は今オフに行われたファン感謝イベントのフィナーレで突如、25年シーズンの開幕4番に関し「野村君でいきたいと思います」とサプライズ発表。本人がぼうぜんとする中、不敵な笑みを浮かべ野村に期待を寄せた。この背景には新庄監督ならではの緻密な「策略」があったという。
球団関係者の一人がその裏側をこう話す。「ジェイ(野村の愛称)は普段から感情を表に出さない性格のため、一度不振に陥ると一人で思い悩むフシがありました。新庄監督はその姿を見るたびに『打てなくてもいいからもう少し元気を出してほしい』いう趣旨の発言をして落胆していましたから。ジェイには内々で期待の言葉をかけても響かない。それならファンの前であえて重圧を背負わせた方がいい。新庄監督直々のサプライズ発表はそんな経緯と思惑があったはずです」
指揮官の思いを胸に、今オフの野村はイベントがあるたびに25年シーズンの「4番死守」を明言。自らにプレッシャーをかけ黙々とトレーニングを続けている。
万波や清宮など日本ハムは野村と同世代選手が次々に本格化を遂げている。勝負の7年目を迎える野村も指揮官の粋な配慮で才能を開花させられるか。