日本代表の森保一監督(56)が、アジアカップ8強敗退から北中米W杯アジア最終予選での快進撃を見せた2024年の〝後悔〟を明かした。森保監督の新年インタビュー最終回では、アジアカップの振り返りをはじめ、進化への手応え、W杯出場を決めた後の新戦力抜てきの方針などを語り尽くした。
――2024年を振り返ると
森保監督(以下森保) アジアカップ(1~2月)ではタイトルを取れずに終わってしまった。悔しさや、まだまだ足りない部分はあったが、選手たちは世界トップ基準を目指して、世界の競争力の中で力を確実につけてくれて、前進できている。
――その1年を漢字一文字で表すと
森保 「進む」じゃないですか。進むに関しては、前に進む、進化する、いろんな意味合いがある。
――攻守にレベルアップした実感はある
森保 対戦相手にもよるが、攻撃力は確実に上がっている。守備の部分でも単純比較はできないが、固く粘り強い守備ができている。アジア最終予選でも、何人もの選手がギリギリのところで体を張ってシュートブロックして止めるとか、その前に止められるのが一番だけど、最後の最後、絶対やらせないというところはできてきている。
――24年は3バックがメインだった
森保 それまでの3バックは、ほぼほぼ守備の時間帯に使うことでしかなかった。より攻撃の部分でも生かせるところは、また同じシステムの使い方でも攻撃の部分の積み上げはできたと思う。
――今思えば…の試合を挙げるとすれば
森保 (アジアカップ準々決勝で)イランに負けた試合で、(決勝PKを与えた)最後のシーン。最後4バックのまま押し込まれた中で、最後スリーバックに切り替えるとか、先に疲弊した選手を替えていれば、逆転されて終わることはなかったのかなと。采配の的確な判断と決断ができていればという局面ではあった。
――アジアカップを通しては
森保 大ぶりのどストレートばかりのパンチを繰り出しても、カウンターでやられてしまうところが出た。意識はしていないが、(アジアでは)どこかで圧倒して勝っていくみたいなところがあって、それがこんなはずではなかったとか、ガードが甘くなったところを攻め込まれたと思うんで、いいきっかけにはなった。その時の痛みもポジティブ変換をして力になっている。
――W杯決定後の考え方
森保 戦術的なことを試すということと、あとは、力のある選手たちを新たに招集してできる限り見てみたい。最終的に、できるだけ多くの選手を見た中で、W杯に向けて最強のチームをつくっていきたい。試すということは、負けるとかも覚悟しながら、でも最終的にはチームの力をつけることができるという思いを持ってチャレンジしたい。
――新戦力を加えることのメリット
森保 コアなメンバーでより活動を重ねて、試合をしてレベルアップしていく考え方もあるが、日本にはたくさんいい選手がいる。競争があって、切磋琢磨していい選手が最後生き残っていくということは、チーム力アップにつながる。