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大谷翔平の左肩手術は投球より打撃に重大影響 二刀流復活で〝野球の常識〟を覆せるか

東スポWEB 2025年1月7日 5時4分

またしても〝野球の常識〟を覆すのか…。ドジャース・大谷翔平投手(30)が今季から投打二刀流を復活させる。3月に日本で行われる開幕シリーズを含め、当面は打者としての比重が大きくなる見通しだが、気がかりなのは昨年11月に手術した左肩の影響。利き腕とは反対で、一見すると無関係のように思われるが、実はまったくそんなことはないという。

昨季の大谷は2023年9月に受けた右ヒジ手術の影響で投手を封印。打者に専念して史上初となる「50―50」も上回る54本塁打、59盗塁の金字塔を打ち立てた。

シーズン中も投手復帰に向けたリハビリプログラムに取り組んでいたが、ワールドシリーズ第2戦(昨年10月26日=日本時間27日)でアクシデントに見舞われた。二盗を試みた際に左肩を脱臼。同シリーズ後の11月5日(同6日)に損傷した左肩の関節唇を縫合する内視鏡手術を受けた。術後の経過についてロバーツ監督は「順調に進んでいる」と話していたが、二刀流解禁は5月以降となる見込み。カブスとの来季開幕シリーズ(3月18、19日=東京ドーム)には打者として出場する予定だ。

ただ、実は投手よりも打者として復帰する方が困難が多いとみられている。

ライバル球団のMLB関係者は「ドジャースの投手のストーリーは、大谷の左肩のリハビリがあってもなくても、ある程度決まっていたはず」と語った一方、打撃については「左肩にメスを入れた影響がどれ程のものなのかは、MLBのスコアラー関係者の誰もが分析すべきポイント」と注視している。

アスリートにとって人体の「つなぎ目」である足首やヒザなどのケガはよりデリケートなもの。その中でも、球界ではヒジよりも肩を完治させることは「困難」といわれている。さらに、患部に衝撃が加わったことで関節組織が壊れたケースの故障は、どこまで修復し、再生されたかは本人の感覚でしか分からないという。

NPB出身の元選手も「守備中のダイビングやベースに腕をついて肩を痛めた後、打撃もおかしくなったケースは意外と多い。特に痛めた肩がバットの引き手だった場合は」と証言。さらに「例えば、左打者なら打席内では誰でも三塁側に正対してスイングをかける。最後は必ずヘソから上、左肩も投手側に正対するように動くでしょ? 要は打者には必ず体を回転させるための動きがある。両肩は、その一連の動作に必ず関与している。手術すれば、肩の可動域は間違いなく以前と変わる。そうなると、バットの入射角とか体を開くタイミングなどでスイングも微妙に変化する。本人が『これまで通り』だったとしてもね」と解説した。

右投げ、左打ちの大谷にとって打席内で左肩は投手側に近い引き手ではないものの、強いインパクトを生むためには体のすべてを連動させる必要がある。その中でも肩は繊細で、操作性に影響が出やすい箇所なのだ。

故障後の大谷は世界一達成の瞬間まで3試合に出場したが、さすがに手負いの状態では11打数1安打と陰りを見せた。それでも手術から開幕までは4か月あまり。MLBの歴史を塗り替え、従来の概念をことごとく覆してきた大谷だけに、今回の試練も乗り越えて〝真の超人〟となるかもしれない。

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