自民党の小泉進次郎衆院議員がSNSでデマ被害に遭っている。「15年議員やって議員立法提出0件」とX(旧ツイッター)で広まっているのだ。芸能人も拡散しているだけに収拾がつかない状況となっている。
俳優の松尾貴史や東ちづるなど芸能人もこの情報を拡散している。議員立法が取り上げられるのは国会議員の仕事は法律を作ることといわれていることに関係している。だからこそ、「議員立法を提出したことがない」ということが仕事をしていないと批判的にみられがちなのだ。
法律には行政府の内閣が提出するものと、国会議員による議員立法があるのだが、実は小泉氏は議員立法を提出したことがある。昨年の臨時国会で成立した政治資金規正法の改正案など3本だ。衆議院の公式サイトでも同法の提出者に小泉氏の名前がしっかりと載っている。法案提出者として国会で答弁もしていた。
小泉氏にはこれまでにもこの種の批判が付きまとってきた。昨年9月の総裁選では小泉氏の支援者らが小泉氏を巡る風評に反論するサイトを立ち上げている。そこでも議員立法ゼロについて取り上げられており、「議員立法数がゼロだからといって、仕事をしていないと考えるのは不正確です」と反論していた。
「議員立法案は政府与党ではない野党が提出することが多いので、与党の国会議員のほとんどは議員立法数はゼロです。与党議員は内閣提出法案に与党審査という形で関わり、自身の考えを反映させることができます」と、党内議論の中で内閣提出法案に関与してきたと訴えた。
つまり、与党にいると議員立法を提出する機会があまりないということのようだ。
永田町関係者は「小泉氏に限りませんが、よく『誰々は政治家としての実績がない』なんて指摘されますよね。でも、政治家の実績ってそもそも分かりにくいもの。表に出てこないけど調整に汗をかいている人も多いですから」と指摘した。