今回で51回目となる「東京スポーツ新聞社制定2024プロレス大賞supported byにしたんクリニック」の授賞式が8日に都内のホテルで行われ、新日本プロレスのザック・セイバーJr.(37)が最優秀選手賞(MVP)を受賞した。02年のボブ・サップ以来、外国人選手として史上2人目の同賞受賞となったザックは、特別選考委員の小橋建太(57)との対談で新たな決意を口にした。
小橋 ザック、MVP受賞本当におめでとう。
ザック ありがとうございます。小橋さんの第一印象はすごく思い出に残っています。(ノア時代に)初めて日本に来た時、朝の6時に到着したんだけど小橋さんはもうすでに道場にいて…。階段を上がっていたら小橋さんのデッドリフトで揺れていたのを今でも覚えています。
小橋 初対面の時はすごく緊張していて、好青年の印象が強かったね。
ザック 2011年9月のノア大阪大会の6人タッグマッチで一度だけ小橋さんと試合をすることができました。私も小橋さんのチョップをこの胸で経験した一人です。ひどく痛めつけられたけど、うれしかったですね。
小橋 俺が辞めた時はザックはまだジュニアヘビー級だったんだよね。まさかヘビー級のトップになるとは思ってなかった。今のザックを見ていると、自分のスタイルを貫いていくのが大事なことなのかなと思えるよね。周りに合わせず独自のスタイルを貫いたから今こうしてMVPにも選ばれたんだと思う。
ザック 個人的にも特別な存在である小橋さんの言葉だからうれしいですね。90年代からVHSで試合をずっと見てましたから…海賊版だったけど(笑い)。素晴らしいインスピレーションをもらったし、2003年3月の小橋さんと三沢(光晴)さんのGHCヘビー級王座戦は歴代最高の試合だと思います。腎臓がんからの復帰戦(07年12月)もプロレスの歴史に残るし、私とはスタイルは違うけど、魂がどれだけ重要なのかを学びました。多くの影響を受けたので、今後も吸収してキープしていきたいです。
小橋 うれしいね。ザックの試合を見ていると、いろいろなものを吸収しているのがすごく分かる。自分が信じるプロレス道を貫いて、ベルトを守り抜いて、プロレス大賞のMVPももちろんだけど今年はベストバウトを両方取ってほしいな。
ザック すごくモチベーションになります。
小橋 史上2人目の外国人選手のMVPだけど、(02年の)ボブ・サップの時とはまったく違うよね。ザックがプロレスに対して費やしてきたものを考えると、外国人選手の歴史の中でも特別な存在と言っていいんじゃないかな。
ザック 小橋さんに言われたら、それを目標にするしかないですね。自分の中には絶対王者イコール小橋さんというイメージもあるので、同じようになれたらと思います。小橋さんと三沢さんの試合を超えるようなベストバウトをできるように頑張ります…無理だと思うけど(笑い)。
小橋 できるよ。ザックは今パートナーは大岩陵平? じゃあベストタッグも合わせて3冠を目指してほしいね。
ザック では3冠を目指して、特にベストバウトは取れるよう頑張ります。外国人では無理だと思っていたので、日本のプロレスに受け入れてもらえて、そしてMVPを受賞できて本当に誇りに思います。昨年がラッキーだったのではなく、本当に実力でこの賞を取ったんだということを今年証明していきたいです。