今年も大きな盛り上がりを見せた東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、脚光を浴びた各校を検証する短期連載全6回の3回目は国学院大に焦点を当てる。史上6校目の大学駅伝3冠を狙ったが、総合3位と悲願ならず。〝山決戦〟での誤算が歯車を狂わせた。
出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した今季は、主将でエースの平林清澄(4年)が大会前に「総合優勝ができるように、チームとして全力で頑張りたい」と高らかに宣言。前田康弘監督も「過去最強のチームだと思っている」と自信を口にしていたものの、現実は甘くなかった。
往路は2区の平林が区間8位と伸び悩むと、5区の高山豪起(3年)も想定より約2分遅いタイムで区間14位に沈み、6位でフィニッシュ。往路Vの青学大とは5分25秒差をつけられた。復路も6区の嘉数純平(3年)が区間16位と苦戦を強いられ〝山決戦〟で総合優勝が大きく遠のいた。
王者・青学大の原晋監督はかねて「箱根は山上り、山下りで計算できれば、優勝だけではなく、シード争いも優位になる」と〝山決戦〟の重要性を指摘。実際に青学大は5区の若林宏樹(4年)と6区の野村昭夢(4年)がそれぞれ区間新記録の快走を見せ、頂点の座を引き寄せた。
それでも、最終的には過去最高タイの総合3位に入った。ただ、前田監督は「私自身まだまだ勉強不足で、力不足だった」と率直な思いを吐露。〝山決戦〟についても「(5区だけで)若林くんに3分くらい(差を)開けられたのはちょっとキツい。若林くんは山専用でつくっている感じがした。うちは全日本(大学駅伝)にシフトしていた部分もあったし、高山も(4区で)走っている。やっぱりそこが浅かったかな」と準備力の面で差を痛感したという。
復路後には「目指しているところは3位じゃない。5年前の3位とは違って、私も悔しさしかない3位」とすぐさまリベンジ宣言。箱根路で味わった厳しさを頂点取りへの糧にする。