パリ五輪ボクシング女子65キロ級で金メダルを獲得したイマネ・ヘリフ(アルジェリア)のプロ転向に暗雲が漂っている。
ヘリフをめぐっては、世界ボクシング協会(IBA)が2023年の世界選手権の「性別検査」で基準値を満たせずに失格処分としたものの、国際オリンピック委員会(IOC)はパスポートの性別が女性であることを理由にパリ五輪参加を許可。これに選手側が反発する中で金メダルを獲得し、世界中で大論争に発展した。
専門メディア「BOXINGSCENE」は「金メダリストのヘリフはプロボクサーになるだろうか」と見出しで「ヘリフは米国でトレーニングを行っており、プロとしてのキャリアを始めることを望んでいるとの報道も出た」と伝えながらも「WBAとWBCの2つの認定団体がプロ転向を認めることについて懸念を表明した」と伝えた。
同メディアによると、WBAのトップ、ジルベルト・メンドーサ会長は「結局のところ、これは我々のスポーツの誠実さと女性ボクサーの安全の問題だ」とし、WBCのマウリシオ・スレイマン会長は「女性として生まれた人は女性として生まれた人としか戦えません。逆もまた同様です。それは明らかか? 私はその通りだと思います」と語ったという。
同メディアは「ヘリフは完全に明確とはほど遠く、認定機関ができることは選手のランク付けを拒否することだけで、ライセンスを阻止することはできない。しかしライセンスは染色体の基盤を特定する性別検査に合格した場合のみ付与されるようだ」と伝えていた。