ドジャースの大谷翔平投手(30)が昨年もたらした経済効果は全米のスポーツ界全体に影響を及ぼすものだった。米経済誌「フォーブス」は9日(日本時間10日)に「スポーツの広告収入は、大谷翔平とMLBがけん引し、過去最高に達している」と題し、大谷効果を検証した。
MLS(メジャーリーグサッカー)を加えた北米5大プロスポーツリーグの中でも大谷の効果によって「MLB全体の広告収入が前年比16%増の3億ドル(約473億円)近くを追加し、スポーツ界全体の広告収入の底上げにつながっている」。
調査会社スポンサーユナイテッドによれば、大谷の入団によりドジャースが日本を拠点にする企業12社と契約。7000万ドル(約110億円)のスポンサー収入を得た。ドジャースだけではなく、大谷が訪れた遠征先のチームも約1500万ドル(約23億6000万円)の広告収入を得たという。
「スポンサーユナイテッドが発表した報告書によると、大谷効果およびユニホームのパッチやヘルメットのロゴ収入などの導入により、野球界は2024年に新たなスポンサー事業を3億ドル近く獲得し、リーグ全体では18億4000万ドル(約2902億円)に達したという。これは前年比16%増、過去3年で36%増と、北米の5大プロスポーツリーグの中で、MLBの広告収入額を上回るのはNFLの推定23億ドル(約3628億円=23年度)のみで、MLBほど急速に成長しているリーグはない」
米国で野球人気の低下が指摘されて久しい。そんな中で昨年史上初の「50本塁打―50盗塁」を達成し、ナ・リーグMVPに輝き、ワールドシリーズ制覇に貢献した大谷がファンを呼び戻しているのは間違いない。投手に復帰する今季の経済効果は記録的になりそうだ。