第103回全国高校サッカー選手権の準決勝(11日、国立競技場)で、前橋育英(群馬)が東福岡(福岡)を3―1で下し、13日の決勝は流経大柏(千葉)と対戦する。ナイジェリア人の父を持つ、エースFWオノノジュ慶吏(けりー=3年)が得点王との〝2冠〟へ意欲満々だ。
エースのオノノジュは、ここまで3回戦の帝京大可児(岐阜)戦で2ゴールを決めるなど4得点をマーク。得点ランキングでは堀越(東京A)のFW三鴨奏太の5得点に次いで2位タイだ。
この日はゴールを決められなかったものの、2アシストの活躍でチームの逆転勝ちに貢献。「1失点しても焦らず(前橋)育英らしいサッカーができた。次もチームの勝利に貢献できるようなプレーをしたいし、できればゴールも決めたい」と鼻息を荒くした。
その上で「得点王にこだわりすぎるとエゴが出て、パスの方がいい時にシュートを打っちゃったり、そういう状況も出てくる。一番に重きを置くのはチームの勝利だし、点差がついてきたら(得点王を)狙いにいくのはあるかもしれない」と笑みを浮かべた。
チームは優勝した2017年度大会以来の決勝進出。卒業後は慶大法学部に進学する文武両道選手は、高校生活での有終の美に向けて「選手権で優勝するために育英に入ってきて、そういう思いでずっとやってきた。泣いても笑っても最後の試合だし、悔いの残らないような試合をしたい」と力を込めた。