【病院通いになる前に健康寿命を伸ばす! プレメディカルケア】
スポーツトレーナー・永井正彦氏が実際の相談事例をもとに解説する健康アドバイス企画。今回は寒い季節には特に注意が必要な“ヒートショック”についてです。
【お悩み】ヒートショック防止につながる暖房の効果的な使い方は?(60代男性)
【アドバイス】起床1時間前に暖房をつけて部屋を暖めておくか、布団の中で防寒着を身に着けてから起床してください。
【解説】相談に来られた男性は、職場の同僚が居酒屋を出た途端、胸が痛いとうずくまったので救急車を呼んだら、後日ヒートショックの疑いがあったと聞いて驚かれていました。
ヒートショックは冬場の入浴時に多いとされています。リビング、脱衣所、浴槽という各場所の温度差によって血圧が急激な変動を起こす症状ですが、寒暖差のある場所でならどこででも起こりうる危険性があります。
男性が遭遇したケースも、暖かい居酒屋から寒い屋外に出た時の急激な寒暖差によって引き起こされた可能性が考えられました。
夏場でも猛暑の屋外から冷房の効いた屋内に入った時や、冷房の効いた部屋から暑い屋外に移動した時などにヒートショックは起きていますが、これも急激な寒暖差によるものです。
特に冬場の明け方は気温がぐんと下がるので、明日はわが身だと心配されていた男性には、起床1時間前にエアコンの暖房タイマーをセットし、部屋を暖めてから起床するよう伝えました。
暖房器具にタイマー機能がない場合や光熱費を節約したい方なら、枕元にマフラーや手袋、厚手の靴下といった防寒着を置いておき、起床したら布団に入った状態のまま着込んで、それから起床してみてください。布団の中で着替えたり服を着ることを推奨している介護施設もあるぐらい、寒暖差をなくすことはヒートショックの予防となります。
そして外出時は、暖かい屋内で防寒着を身に着けてから、寒い屋外に出ることを心がけてください。
常に温度変化を最小限にする意識が大事です。