順調な滑り出しだ。大相撲初場所初日(12日、東京・両国国技館)、初の綱とりに挑む大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が幕内隆の勝(常盤山)を寄り切って白星スタート。取組後は「土俵際で攻められてもバタバタせずに、相手の動きに対応してじっくり攻められた。慌てずにしっかり落ち着いていけた」と納得の表情を浮かべた。
祖父が元横綱琴桜のサラブレッドは、先場所の千秋楽で大関豊昇龍(立浪)との相星決戦を制し、14勝1敗の好成績で初優勝。13勝を挙げた豊昇龍とともに〝W綱とり〟に挑戦している。
この日の朝稽古後には「先代の番付に追いつきたい、(横綱に)上りつめたいと思ってやってきた。いい相撲を続けることが、そういうのにつながってくるし、先のことを考えても仕方ない。気持ちは大事だけど内に秘めつつ、平常心でいかないと」と力説していた。
また、国技館内に自身の優勝額が飾られたことについては「小さい頃から見てきたものなので、そこに自分のがあって思うところはある。(優勝は)一度きりではないので、2度、3度と積み重ねていく」。2場所連続Vでの横綱昇進に向けて意気込んだ。
この日、大関豊昇龍は幕内霧島(音羽山)を相手に白星発進。だが、横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)、大関大の里(二所ノ関)は黒星発進と、初場所は波乱の幕開けとなった。
2日目に琴桜は小結阿炎(錣山)と対戦する。「白星発進? まだ始まったばかりなので。明日からも自分の相撲に集中してやっていくだけ」と気を引き締めた。