9月に東京で開催される世界選手権では〝女子中長距離勢〟の躍進に注目だ。800メートル日本記録保持者の久保凛(16=東大阪大敬愛高)と1500&5000メートル日本記録保持者の田中希実(24=ニューバランス)は、今季の駅伝レースでも活躍。五輪4大会連続出場の福士加代子氏(42)は、両選手の走りに太鼓判を押した。
昨年12月の全国高校駅伝で2区(4・0975キロ)を任された久保は、専門外の距離ながら16人抜きで区間賞(12分47秒)を獲得。福士氏は「3000メートルを走れる練習をしているのは聞いたことあったけど、駅伝でこれだけ走れるのはやっぱりすごい。いろんな適性があるんだろうなと思った」と高く評価した。
昨年7月に800メートルで日本人初の1分台(1分59秒93)を記録。世界選手権の参加標準記録(1分59秒00)突破が現実味を帯びてきており、久保も13日の取材時に「(1分)58秒台を狙いたい」と意気込んだ。福士氏は「可能性はあると思う。駅伝とかを見ても体力は十分あるので、後はスピードを磨いていくだけ。楽しみでしかない。世界陸上に出られたらトップの選手たちのアップから全部見ることができる。私もそうだったが、それでさらに今までにないイメージが湧いてくると思うので、より強くなれるのでは」と期待した。
一方の田中は12日の全国都道府県対抗女子駅伝で最長区間の9区(10キロ)を担った。未知の距離に苦戦を強いられるも、区間6位(32分28秒)でフィニッシュ。福士氏は「今回の10キロは迷いがあったと思うけど、ちゃんと走ると決めて挑んでいるところは偉いなと思う。トラックとロードは全然違うので、思ったより走れないのはよくあること。それはただ感覚が違うだけ。いろんなものを考えながら走っても、区間上位1ケタに入るポテンシャルはやっぱり強い」とポジティブな面を強調した。
世界選手権ではトップ争いに絡むことが田中のテーマの1つ。福士氏は「出た種目全部で決勝に行ってほしい。行ける力はあるので、レースの運とかいろんなものがかみ合ってほしい」とエール。東京でさらなる飛躍のきっかけをつかめるか。