大相撲初場所2日目(13日、東京・両国国技館)、大関豊昇龍(25=立浪)が幕内翔猿(32=追手風)を寄り倒して連勝発進に成功した。取組後は「集中してやりました。よかったと思う」と充実した表情を浮かべた。先場所は13勝の好成績を挙げて優勝次点。今場所で優勝すれば横綱昇進の可能性がある。
その大関について、角界OBで〝平成の牛若丸〟の異名を持つ元プロレスラーの維新力(63)は「(豊昇龍は)以前だったら変化したり、簡単に勝ちにいっていたけど、立ち合いで重圧をかけて前に出る相撲が取れている」と絶賛する。元横綱朝青龍を叔父に持つ豊昇龍は、2015年に千葉・柏市の日体大柏高にレスリング選手として留学。来日直後に大相撲を観戦したのがきっかけで、同校の相撲部に転部した。
そうした背景もあり、維新力は「豊昇龍は朝青龍さんの血を引いているから、勝っても負けても気合十分なのが表情でうかがえる。ただ、相撲っぷりは朝青龍さんほど荒々しくない。もともと彼はアマレスをやっていたから投げ技とか足をかけたりするのがうまいけど、それがケガにつながって結構苦労していた。九州場所ではそれがなくて、前に圧力をかける相撲に変わってきた」と力説。今場所の初日も大関経験者の霧島(音羽山)を圧倒している。
維新力は「九州場所の悔しさをバネにすれば、横綱昇進のチャンスは全然あると思う。(琴桜と)ダブル昇進もありえる」と期待。進化を続ける豊昇龍が偉大な叔父と同じ番付の頂点を目指す。