虎のアニキが甲子園に帰ってくる――。阪神は14日に球団創設90周年イベントの概要を発表。「90周年アンバサダー」として吉田義男氏、田淵幸一氏、藤田平氏、真弓明信氏、掛布雅之氏、岡田彰布氏、金本知憲氏、矢野燿大氏、鳥谷敬氏ら歴代の虎レジェンドを起用し、2025年シーズンは様々なイベントを展開していくという。
なかでも注目は16年から計3季、チームの指揮官を務めた金本知憲氏の起用だろう。助っ人勢の不振やチーム内の世代交代に苦しみ最下位に沈んだ18年オフに「事実上の解任」という後味の悪い形でタテジマを脱いで以降、猛虎とは一定の距離を置いてきた同氏が公式な形で球団イベントに姿を現すのは久々となる。フロントからのオファーにも「快諾してくださった」(球団関係者)とのことだ。
監督在任中は結果にこそ恵まれなかったが、就任以降積極的に取り組んできた生え抜き育成路線は後になって大きく開花。チームは翌19年から6年連続でAクラスの座をキープ。23年には18年ぶりとなるリーグ制覇と38年ぶりとなる日本一も達成した。今季からチームの指揮を執る藤川球児監督も「金本さんが監督に就任したあの時から全てが始まった」などと言及しており、同氏の功績には敬意を惜しまずにいる。
時の流れとともに再評価が進む金本時代の遺産。球団創設90周年の節目に聖地・甲子園の虎党たちと、幸福な形で再会を果たすことになりそうだ。