元宝塚歌劇団雪組トップスターで俳優の望海風斗が14日、大阪市内で主演舞台「マスタークラス」(4月12~20日=大阪・サンケイホールブリーゼ)の取材会を行った。
同公演は、20世紀最大の歌姫と呼ばれたマリア・カラスが現役引退後、米ジュリアード音楽院で次代の育成に尽力した様を記した〝カラスのマスタークラス(公開授業)の講義録〟を元に、彼女の栄光と挫折の人生を描いたミュージカル作品だ。
1996年に米ブロードウェイで初めて上演され、世界各国で上演されている。日本では96年と99年に黒柳徹子主演で上演された。そして26年ぶりに望海がマリア・カラスを演じる。
台本を読んだ際の印象について望海は「難しい作品。読み進めていくと彼女(カラス)の人生がドラマチックに描かれているので、挑戦してみたいと思いました」と意気込みを語った。
本作では引退後のカラスが、若きオペラ歌手たちに公開授業を行う。「最初は、オペラをやってない人間が、マリア・カラスを演じるのかってオペラ側から思われるんじゃないかなって思った」と振り返った。
望海も宝塚歌劇団を辞めた際、タカラジェンヌに歌や芝居を教えられる人になりたいという夢があったという。
「今、舞台に立つのが楽しくて、どうなるか分からないんですけど。(後輩には)基礎を学んでほしい。(私は)歌に関して、がむしゃらに練習してきたので、そうじゃなくて、仕組みを知った上で歌うってところにいくと良いのではと思いました」
今回の舞台で共演する指揮者でアンサンブル歌手の谷本喜基氏について「オペラの知識がないので(谷本氏に)教えていただいた。お会いするのは少し怖かったんですけど、(お会いすると)すごくいい方で、オペラの歴史からマリア・カラス周りの資料も事前に作ってくださって。優しい方だったのでホッとしました。(感謝の気持ちは)もちろんありますし、そういう方が周りにいてくださるって心強いなって思います」と笑顔をみせた。
最後に「お客さまが公開授業の見学のように(ご覧いただける公演なので)かしこまらずに、のぞきに来ていただけたらうれしいな」とアピールした。