広島の菊池涼介内野手(34)が14日、矢野雅哉内野手(26)らとともに行っている静岡市内での自主トレを公開。14年目のシーズンへ向け「今年はどんどん、気づいたことを言っていきたい。言うということは、自分がまずはやらないといけない。一層、覚悟をもってやっていきたい」と所信表明した。昨年、チーム・個人ともに〝不完全燃焼〟の結果で終わった教訓をもとに、よりリーダーシップを発揮していくつもりだという。
ベテランの〝変心〟を「ベストのタイミング」と球団関係者は歓迎する。2022年まで10年連続ゴールデン・グラブ賞という球界屈指の守備職人。口を開く内容も必然的に「守る」ことについての指摘が多くなることが予想されるが「キクが言うことで周りが、さらに聞く耳を持つ可能性が高い」と大歓迎する。
今年、天然芝の本拠地・マツダスタジアムは9年ぶりに芝を全面的に張り替え、赤ヘルは真新しい芝を舞台に公式戦を戦う。菊池でさえ「(まだ)想像でしかないので、分からない」とこれまでと弾み方、転がり方など、飛んでくる打球に〝変化〟が生じることは予想されるところ。そんな未知の〝庭〟に対し、どう対処するのか。関係者が危惧しているのは、この部分だ。
昨年も記録的な酷暑となった夏場は、マツダでの移動ゲームでは全体練習を時短化するなどナインへの〝配慮〟はあった。だが「キクだけは別」で全体練習前にひとりハーフパンツの軽装姿ながら、早出の形で二塁でゴロ捕球し定位置の〝確認作業〟を行うのが常だったという。
「要は自分のポジションにどれだけ責任をもって日々、取り組んでいるか。その点で若い子はまだまだ…という子が多い。今年、球場の芝を入れ替えた結果、エラーが増えるのは、仕方のないこと。でも、選手は、選手の立場で『どんな準備をしましたか?』というのは、プロとして必ず問われる」(球団フロント)
若鯉に〝自覚〟を促す名手の言葉が、ますます重みを増す1年になりそうだ。