第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で2年連続8度目の総合優勝を飾った青学大の〝ピーキング力〟に、ライバルたちも舌を巻いている。
今季の青学大は出雲駅伝、全日本大学駅伝でともに3位。太田蒼生、若林宏樹、鶴川正也、野村昭夢ら強力な4年生陣を擁しながら、国学院大に2冠を許した。それでも、原晋監督(57)は「出雲、全日本仕様のトレーニングも多少は入れ込んでいるが、あくまでも箱根に合わせたトレーニングの流れの中でやっている」と一切ブレず、早大大学院で得た知識や長年の指導経験などから構築した「原メソッド」をもとに強化を進めた。
そして迎えた箱根駅伝では4区まで中大に首位を譲るも、山上りの5区で若林が逆転。山下りの6区を担った野村がリードを大きく広げて逃げ切った。原監督が「山を攻略しないことには、昨今の箱根駅伝では勝てない」と語っていた重要区間で他大学を圧倒し、頂点の座を引き寄せた。
戦前は国学院大、駒大、青学大の3強が軸になるとの見方が強かったが、結果的には青学大が10時間41分19秒の大会新記録で圧倒的V。ずば抜けた調整力に、ライバルチーム関係者は「出雲や全日本で負けても動じることはないし、箱根駅伝に合わせてきっちり勝つところが、さすがだなと。むしろ青学大さんからしたら『してやったり』みたいな感じじゃないですか」と感嘆している。
常勝軍団をけん引する原監督は「来季は2度目の大学駅伝3冠と、箱根駅伝3連覇を狙う」と宣言。抜群の勝負強さは、今後もライバルたちの脅威になりそうだ。