【取材の裏側 現場ノート】「川崎」が世界を騒がせている。日本人選手が欧州クラブでも活躍し、日本代表メンバーはほぼ〝海外組〟で占められている中、特にJリーグで2度の連覇(2017、18、20、21年)を果たしたJ1川崎出身の選手たちは多い。
イングランドで注目を集めているMF三笘薫(ブライトン)をはじめ、MF旗手怜央(セルティック)、MF守田英正(スポルティング)、MF田中碧(リーズ)、DF谷口彰悟(シントトロイデン)、DF板倉滉(ボルシアMG)に加えて、下部組織出身のMF久保建英(レアル・ソシエダード)ら多くの川崎勢が森保ジャパンでも好プレーを見せている。
他にも元代表のMF三好康児(ボーフム)や同DF山根視来(ロサンゼルス・ギャラクシー)ら多くの選手が海外進出しているが、J1クラブ関係者は「海外クラブのスカウトとか代理人の間でも川崎は有名で『どんなチームなんだ』って聞かれることがある。まあ、欧州でプレーする日本人選手の中でも川崎出身者は特に多いからね。タケ(久保)まで含めると10人くらいいるでしょ。『サッカーも川崎なのか』って言っていたよ」と語っていた。
欧州ではモータースポーツが盛んでバイクメーカーの「KAWASAKI」の知名度は高い。サッカー担当の筆者がかつて欧州出張中に現地の方から「KAWASAKI」「SUZUKI」「HONDA」などとメーカー名で〝いじられる〟のは定番だった。特に日本のバイクの性能をほめられることが多く「KAWASAKIは先週もイモラで勝ったよな。日本のマシンは最高だ。なんであんなに速いんだ」と言われることも珍しくない。
欧州サッカー界は1月に入って冬の移籍市場が解禁となり、すでに「ブランド」となっている川崎出身の久保を筆頭に三笘や板倉、守田、旗手、田中らにステップアップのウワサが出ている。多くの川崎勢が欧州ビッグクラブ入りを果たせば、バイク界の雄「KAWASAKI」のように「メイド・イン・川崎」のイレブンがサッカー界を席巻する日も近いのかもしれない。(サッカー担当・三浦憲太郎)